テレアポの成否を左右するのが、クロージング。せっかくうまく話が進んでも、最後のクロージングで失敗して、アポイントを逃してしまうケースは多々あります。
そこで、今回はクロージング力を高めるための具体的なテクニックを紹介します。クロージングに課題を感じているオペレーターや教育担当者は必見です。
目次
クロージング力を高める5つのテクニック
①クローズドクエスチョンを効果的に使う
クローズドクエスチョンとは、相手にYES/NOで答えてもらう質問のこと。その反対がオープンクエスチョンで、自由な回答を求める質問を指します。
テレアポでクロージングの段階に差し掛かったら、クローズドクエスチョンを織り交ぜるのが有効です。回答の選択肢を制限することで曖昧な回答を避けることができ、相手の同意を得やすいといったメリットがあります。成約へ向けて商談をスムーズかつスピーディに誘導することができるでしょう。
【トーク例】 ———————————————————————————————-
あなた「〇〇ということで、お間違いないですか?」
あなた「明日のお打ち合わせ、午前と午後のどちらがよろしいですか?」
あなた「お手続きさせていただきたいのですが、いかがでしょうか?」
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(参考:クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンの違いは? どう使い分ける? – STUDY HACKER|これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディア)
(参考:クローズドクエスチョンとは?営業なら知っておくべき基本とオープンクエスチョンとの使い分けを解説!)
②テストクロージングを挟んでメリハリをつける
テストクロージングとは、トークの途中で相手の商品購入の意思を確認することです。テストクロージングを繰り返し行うことで、相手の不安を明確にし、一つひとつ丁寧に解消していくことで、成約へとつながりやすくなります。
テストクロージングはトークスクリプトの各段階で行います。なかでも重要なタイミングは、「商品説明の前」「金額提示の前」「クロージングの前」です。
【トーク例(1)/商品説明の前】———————————————————————–
あなた「商品が気に入ったら、契約していただけますか?」
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【トーク例(2)/商品説明の前】———————————————————————–
あなた「必要ないと思われたら、断っていただいて大丈夫です」
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【トーク例/金額提示の前】———————————————————————–
あなた「購入にあたり、気がかりなことはありますか?」
お客様「費用面がちょっと…」
あなた「業界の相場は〇〇円です」
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【トーク例/クロージングの前】 ——————————————————————–
あなた「購入についてどのようにお考えですか?」
お客様「正直、もうちょっと先でもいいかなって」
あなた「なるほど。今購入すれば〇〇なメリットがあります」
お客様「そうなんですね!」
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(参考:テストクロージング5つの方法コツをトップセールスが伝授)
(参考:テストクロージングとは?営業の成約率を高めるクロージングのポイント | CardPicks)
③ドア・イン・ザ・フェイステクニックを応用する
ドア・イン・ザ・フェイステクニックとは、譲歩的依頼法とも呼ばれ、本命の要求を通すために、最初に過大な要求を出し、断られた後で本命の要求を出す技法です。
借りができるとお返しをしなくてはならないと考える人間心理「返報性の原理」を応用したもので、最終的にこちらの希望を承諾してもらうためのテクニックです。
【トーク例】 ———————————————————————————————-
あなた「お客さまにはAの商品がおすすめですよ」
お客様「100万円ですか…予算的に厳しいですね」
あなた「でしたら、Bの商品はいかがですか?こちらでしたら費用面でも…」
お客様「(さっき断っちゃったし…)では、Bの商品でお願いします」
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④感情クロージングを織り交ぜる
感情クロージングとは、購入後にどんな明るい未来が待っているかを魅力的に語り、購買意欲を高める技法です。人間は、論理よりも感情を優先して行動する生き物です。相手の感情を動かすことが、テレアポのクロージングでも極めて重要です。
【トーク例1】 ———————————————————————————————-
あなた「この車を手に入れたら、どなたとどこへお出かけしたいですか?」
お客様「母と出かけたいですね!」
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【トーク例2】 ———————————————————————————————-
あなた「このサービスを受けることで、わずか1ヶ月で売り上げが2倍アップしますよ」
お客様「えっ!それは、本当ですか?なぜ、そうなるのか詳しく教えてください」
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できるだけ具体的に想像させることがポイントです。導入するメリットを具体的な事例を伝えて明確にすることも有効です。
(参考:【必勝法】テレアポのクロージング力が飛躍的に上がる3つの法則)
(参考:感情マネジメントがあなたのセールスを変える! | 日経の本 日本経済新聞出版)
⑤沈黙クロージングで「YES」を引き出す
沈黙クロージングとは、質問した後に話をやめて沈黙し、相手に考える時間を与えてあげる技法です。多くの営業担当者は無言になることに恐怖を感じてしまい、その恐怖を振り払うために、
口を出してしまいます。それをやってしまうと、相手の思考を中断させ、さらには結論を出しにくくさせてしまいます。
【トーク例】 ———————————————————————————————-
あなた「普段は〇〇円のところ、今回は特別に〇〇円でオファーしたいと思いますがいかがですか」
お客様「そうですねぇ…」
あなた「………(沈黙)」
お客様「(特別にということで、割引してもらっているし…)うーん…」
あなた「………(沈黙)」
お客様「ぜひとも、購入したいと思います」
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(参考:トップセールスが使っている「サイレントクロージング」3つのコツ!)
(参考:営業のクロージングとは?クロージング率を高める10の方法を徹底解説!)
【話す内容】トークスクリプトを随時アップデート
トークスクリプトとは、営業活動する際に、顧客に対して話す内容や順番を記した台本(スクリプト)のことです。クロージングにつながる営業トークができるかどうかは、このトークスクリプトの精度に大きく関わってきます。
作ったら終わりではなく、市場環境の変化や成功トークに合わせて、トークスクリプトを定期的に見直し、改善を続けることが大切です。
・ロープレで確認する
オペレーター同士でロールプレイしながら、使いやすさや分かりやすさを確認しましょう。実際に声に出すことで、違和感や気づきが得られます。このとき、お客さまの視点に立って確認することが大切です。
・ハイパフォーマーの話し方をスクリプトに落とし込む
成果を出しているメンバーのトーク内容を分析し、トークスクリプトに反映しましょう。組織全体のトーク力を底上げすることができます。
Mtame株式会社においては、ハイパフォーマーの話し方を見える化して、それをメンバーに共有することで、教育コストを大幅に削減でき、売上拡大も実現できました(詳細はこちらの事例をご覧ください)。
(参考:コールセンターのトークスクリプトはどの位のペースで見直すべきか?|コールセンターメディア)
(参考:営業トーク力が高まる話し方5つのコツとは?)
(参考:効果の上がるセールスのトークスクリプト)
(参考:導入1年足らずで成約率が1.8倍に ハイパフォーマーの成功要因の共通言語化が鍵)
(参考:教育コストを大幅に削減でき、メンバーの増員と売上拡大に貢献 アポイント獲得率3倍のメンバーも)
【話し方】相手に寄り添うペーシング用法
テレアポを成功させるには、話す内容以上に「話し方」が大きな鍵を握っています。同じセリフでも話し方によって、相手の受ける印象が変わるからです。
そこで、取り入れたいのがペーシングです。ペーシングとは相手の言語・非言語に合わせていくコミュニケーションスキルのひとつ。人の話を聞くプロであるカウンセラーやセラピスト、コンサルタントには必須のスキルです。
やり方はいくつかありますが、相手の顔が見えないテレアポにおいては、相手の声の情報をペーシングするマッチングが効果的です。相手の声の調子、声の高さや大きさ、話速や抑揚などを合わせていく技法です。
・声の高さ(高い・低い)
・声の大きさ(大きい・小さい)
・話す速度(早い・遅い)
・リズム
相手の声の調子にマッチングすることで、自分の話を聞いてくれているという安心感が生まれ、こちらの話や提案を受け入れやすくなるといった効果が期待できます。
(参考:即理解!人間関係に必要なペーシングの基本と3つの応用スキルとは)
(参考:ペーシングとは?ビジネスでも役立つコミュニケーションスキル)
(参考:資料送付率が約1.5倍に メンバーが自分でPDCAを回せるようになり無駄な訪問を削減)
まとめ
アポイント獲得の鍵を握る最後のひと押し「クロージング」は、セールストークの中でもっとも重要なプロセスであるといっても過言ではありません。それだけに難しいと感じているオペレーターの方も多いのではないでしょうか。
しかし、クロージングにもテクニックが存在します。
①クローズドクエスチョンを効果的に使う
②テストクロージングを挟んでメリハリをつける
③ドア・イン・ザ・フェイステクニックを応用する
④感情クロージングを織り交ぜる
⑤サイレントクロージングで「YES」を引き出す
まずは、今回ご紹介した5つのテクニックを習得して、明日からのクロージングにぜひ役立ててください。