インサイドセールス採用の優先順位や求人票の書き方まで徹底解説

デジタルツールの登場によって、営業活動データが蓄積できるようになりました。ログ履歴や商談内容を分析して効果的なアプローチを図るインサイドセールスが大きな注目を浴びています。

この記事をお読みになっている方も、インサイドセールスの立ち上げを検討されているのではないでしょうか?実際に、インサイドセールスチームを立ち上げる際は、どのような人材を採用すべきなのでしょうか?

本記事では、インサイドセールス採用の優先順位や求人票の書き方まで分かりやすく解説します。

インサイドセールス採用の優先順位

インサイドセールスチームを立ち上げる際に、どのような人材を採用すれば良いのでしょうか?結論から説明すると、採用すべき人材の優先順位は(1)設計者(2)実行者(3)管理者の順番です。ここでは、インサイドセールスチームを立ち上げる際に、どのような人材を採用すべきかについて分かりやすく解説します。

(1)設計者

インサイドセールスチームを立ち上げる際には、設計者が欠かせません。インサイドセールス設計者の経験者を採用するのは極めて難しいですが、設計業務をレベル分けして業務が遂行できる人材であるかを見極めて採用していきましょう。

Level1 部門の各種数値の設計ができる(行動指標・KPI・KGIの数値設計)
Level2 マーケティング部門と営業部門と合意形成(※1)ができる
Level3 インサイドセールス部門で発生する不具合を想定して事前対策が打てる

Level3は、実際にインサイドセールス組織に携わった経験がないと到達できないかもしれません。組織の立ち上げには様々な問題が発生しますが、事前に問題が発生しない環境設計ができることがスムーズな立ち上げには必要です。そのため、インサイドセールスの設計者を採用する際はLevel3まで満たしている人材を採用することをおすすめします。Level3まで満たしている人材か否かの確認方法については、具体的な問題が発生したときの対処方法についての質問をして、それに対して体系的に答えられるか否かを見るとよいでしょう。

(※1)合意形成とは:マーケティング部門と営業部門と連携をして意見の一致を図ること。インサイドセールス部門は、マーケティング部門の獲得するリードの量や質について、営業部門とは提供する商談量と質についての合意形成が必要となる。

(2)実行者

次に採用すべき人材は、SDRやBDRの実行者です。実行者は経験者を採用できるのが最善ですが、未経験者でも十分活躍できるため、採用基準を上げすぎないように注意しましょう。当然、経験者を採用する場合は給与が高くなり、競争率が高くなるため、採用難易度が上がります。経験者を採用する場合は、下記の条件に該当するかを確認してください。

CRMを使用したインサイドセールスの経験がない人材は、テレアポ業務経験者となり、データを蓄積する必要性など理解していない恐れがあります。そのため、CRMを活用した営業経験があるかを尋ねてみましょう。MAの使用経験は必須項目ではありませんが、使用経験があるとマーケティング部門や営業部門との連携方法や仕組みが理解してもらいやすいです。

【求めるスキルや経験】

  • CRMを使用したインサイドセールスの経験
  • MAを使用した経験
  • 架電数など活動量を重ねて成果を出した経験

(3)管理者

最後に採用するべき人材は「管理者」です。管理者とは、インサイドセールスマネージャーのことをいいます。インサイドセールスチームを立ち上げた頃は、設計者と管理者が同一人物であることがほとんどです。そのため、管理者の採用は、インサイドセールスチームが拡大した際に採用します。

インサイドセールスマネージャーに求められる能力は、人材育成や支援、目標設定やモチベーションマネジメントなどの人材マネジメント能力です。インサイドセールスは行動量から成果までの転換率が計算しやすく、行動量が成果につながりやすい業務です。

従って、教育や支援能力が重要となります。そのため、インサイドセールスマネージャーには、個人のWill(目標や叶えたい夢)と実務を結びつける力や、各自の成長を言語化して伝える能力が求められます。

(参考:茂野明彦「インサイドセールス」翔泳社 2020,p76-85.)

【採用事例】インサイドセールスの求人票の書き方

インサイドセールスチームを立ち上げるためには、(1)設計者(2)実行者(3)管理者を採用する必要があります。実際に、求人票はどのように書けば良いのでしょうか?ここでは、インサイドセールスの人材を募集する際の求人票の書き方について解説します。

設計者 

職種 インサイドセールス設計者(責任者)
業務内容
  • ターゲット選定、ターゲットに対して最適なアプローチ戦略の立案
  • KPI/KGI設計 
  • インサイドセールスの体制・仕組み構築 
  • マーケティングチームと連動した施策の立案~実行 
  • SFA/MAツールを使用した新規顧客のナーチャリング・売上創出 
  • インサイドセールスチームの組織構築およびマネジメント
応募資格
  • 営業部門におけるKGI・KPI設計の解像度を高く実行できる方
  •  CRMの利用経験者
  •  データ集計・解析の業務経験
  • 法人営業経験者
  • メンバー育成・マネジメントの経験
求める人物像
  • 数値目標の達成に向けて全力で行動できる方
  •  複数の部門の連携が多いため、オープンマインドでフットワークを軽くして動ける方
  •  チームワークを重視して仕事を進められる方
  •  論理的に物事を考えることが得意な方
  •  自己成長意欲の高い方

参考:リクナビNEXT「【インサイドセールスMG候補】組織立ち上げ/佐川急便・日本郵政等から20億出資」

実行者

職種 インサイドセールスの実行者
業務内容 社内関連部門と協業して新規顧客開拓を推進していただきます。
  • アサインされた新規顧客に対して、主に電話・メールを活用して営業活動を行う
  • 顧客の意思決定に関する仕組みの分析・特定、商品購買に関する(意思)決定者とのリレーションの構築
  • 顧客との継続的なコミュニケーションやふさわしい気配りを行うことにより、顧客満足度を高め、顧客の問題解決に貢献する
  • パートナー企業との良好な関係を早期に構築し、協業を発展させる
  • マーケティングリードに対してのフォローアップ、新規商談の発掘
  • Salesforce.com等の営業管理ツールを利用し、正確なリードの管理に努める
応募資格
  • IT、インターネットサービスに関する法人営業経験(1年〜4年以上)
  • 個人予算を持つ営業経験があり、目標達成を上回った経験がある
  • クラウド、SaaS企業における職務経験
  • Salesforce.comの活用経験
  • 新規顧客への開拓営業経験
  • to B向けSaaSでサブスクリプションモデルのセールス経験(歓迎)
  • ネットワーク、通信、電話機などの営業経験(歓迎)
  • 人材、不動産、金融業界での業務経験(歓迎)
  • マーケティングポジションの経験(歓迎)
求める人物像
  • 行動量を厭わず、数値目標の達成に向けて全力で行動出来る方
  • チームワークを重視して仕事を進められる方
  • 論理的に物事を考えることが得意な方
  • 自己成長意欲の高い方

(参考:株式会社RevCommの求人一覧【SDR】SaaSセールス

管理者

職種 インサイドセールスの管理者
業務内容 インサイドセールス(SDR)を更に加速化させる仕組み作りを担うポジションです。マーケティング部が獲得したリードを商談化させ、フィールドセールスに繋ぐ役割となるため、メンバーにはSPINを活用したヒアリング能力が求められます。営業ツールを用いてのリサーチ、データ整備、ツール運用などを行うと同時に、メンバーのKPI管理、育成・推進を実行してください。
  • セールスフォースを活用した、データドリブンな営業体制の整備
  • 新入社員に対する教育・研修
  • 営業組織の活動のデータを分析、より効率的な営業活動の立案・設計・運用
  • マーケ、セールス、CS、ファイナンス と一気通貫した業務フローにおける、全体最適の把握とオペレーション設計

※インサイドセールスだけではなく、フィールドセールス、カスタマーサクセスやマーケティング、事業開発などとの部門連携を進めながら、その時々に応じた最適なセールス体制を整えていくことが主なミッションです。

応募資格
  • ソリューション営業のインサイドセールス(SDR)としての業務経験かつ、マネジメント業務経験1年以上
  • Salesforce製品に関する知識・運用経験1年以上
  • Excel・Spreadsheetの集計作業の経験1年以上
  • SaaS / IT / テクノロジーを扱うサービスの営業または営業支援部門の動き方がわかる
  • 営業部門における、KGI、KPI設計を解像度高く実行できる
  • SQLを使ったデータ抽出、集計作業の経験(歓迎)
  • データ起点で問題発見と課題解決が出来る。(歓迎)
  • IT業界/テクノロジーや新しいツールに強い関心がある(歓迎)
  • プロジェクト運営の観点から、複数のタスクを同時並行で回し、且つステークホルダーコミュニケーション(関係者調整)をリードできるプロジェクトマネジメント経験を有している(歓迎)
  • スピーディ且つプロフェッショナル(状況や意見を具体的な文章や図表にまとめる「ドキュメンテーションスキル」)なドキュメンテーション作成が可能(歓迎)
求める人物像
  • 膨大な情報の整理や体系化に強い関心がある方
  •  複数の部門の連携が多いため、オープンマインドでフットワークを軽くして動ける方
  •  最新テクノロジーに対する感度が高い方
  • ベストな方法を提案する業務改善マインドを持っている方
  •  成長スピードが早い環境で働くことができる方

(参考:株式会社RevCommの求人一覧「【SDR】Saasインサイドセールスマネージャー」

 まとめ

今回は、インサイドセールスを立ち上げる際の人材採用の優先順位と求人票の書き方をご紹介しました。最後におさらいをしておきましょう。インサイドセールスの立ち上げる際には、(1)設計者(2)実行者(3)管理者の順番に採用していきます。

いかがでしたでしょうか?インサイドセールスのマネージャーは、組織が拡大したときに採用することが多く、一般的には設計者が管理業務を兼務することが多いです。そのため、設計者と実行者の採用に努めましょう。ぜひ、この記事を参考にして、インサイドセールスチームを構築してみてください。

【参考】インサイドセールス成功事例に関する記事

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