リモート営業で成果を上げる方法とは?

7月に入り、新型コロナの第二波が危惧されながらも、様々な規制が解除され、徐々に経済活動が戻りつつあるように感じます。しかしながら、まだ「なかなか売上が戻らない」とお悩みの方も多いことでしょう。多くの方が、慣れないリモート営業に四苦八苦しているようです。
そこで今回は、リモートワーク先進国と言える米国のリサーチ結果から、成果を上げる方法をまとめてみます。

リモート営業で成果を上げるためのコミュニケーション

リモートチームを指揮するマネージャーがまず直面する課題はコミュニケーションです。オフィスワークのときには、常に顔を合わせ、いつでも気軽に会話ができたものです。

しかし、リモートワークによって孤独を感じ、モチベーションが下がるメンバーがいたり、チームとしてコミュニケーションが不足することによって成果が上がらなかったりすることがあります。

Slack社が新型コロナの蔓延に伴いリモートワーカーになった人への調査では、在宅勤務によって45%の人がチームへの一体感が低下したと回答ました。また、その約3分の1が生産性に悪い影響を与えていると回答しています。(引用:Report: Remote work in the age of Covid-19|slack

それでは一体、マネージャーは、リモートワーク下においてチームの一体感を維持しつつ、生産性を上げるために、どのようにコミュニケーションをとるべきなのでしょうか。
U.S. Newsに寄稿された10個のアイデアをご紹介します。

チームとのコミュニケーションを積極的にとる

リーダーは積極的に「早め」「頻繁の」コミュニケーションをとることが重要です。朝一番にチームメンバーに確認するなど、一見小さなジェスチャーでも、大きな価値があります。

毎日の定例会をセットアップする

毎日のミーティングは、業務進行だけでなく、従業員や同僚の関係値向上にも良い時間であり、チームビルディングには欠かせません。<中略>ミーティングの最初には、オフタイムの過ごし方などを話し合う時間にしましょう。チームがつながっていると感じられれば、チームはより協力的で貢献的になるはずです。

最初に期待値を設定する

勤務時間や、チェックインや電話会議に出られる時間帯などについて、事前確認せずともチーム全員が同じ見解を持っていると思い込まないようにしましょう。<中略>開始時間と終了時間を決めるのではなく、それぞれの従業員が最も生産性の高い時間帯を中心に仕事できるように設定すべきです。

また、GALLUP社の世論調査では、マネージャーが従業員に対して、明確な優先順位を設定すると労働者の約38%が仕事にコミットしていると感じ、仕事のパフォーマンスの向上に努めることがわかっております。最初に明確な期待値を設定することが重要です。

コミュニケーションの好みを聞く

上司はメールでのコミュニケーションを好み、ある同僚はチャットでの共同作業を好み、別の同僚はビデオ通話でのコミュニケーションを好むかもしれません。誰が何を好むかを把握し、その人に合った方法でコミュニケーションをとるようにしましょう。

マイクロマネジメントしたいという誘惑を避ける

特定のタスクの進捗状況を1日に何度も確認したくなるかもしれませんが、これは気が散ってしまうだけでなく、彼らが仕事を成し遂げることを信頼していないという誤ったメッセージを送ることにもなりかねません。

新しいコミュニケーションツールを導入する

メールでのコミュニケーションだけではなく、Slackのようなコミュニケーションツールを使いましょう。全員がテクノロジーを正しく使い、テクノロジーを恐れず、テクノロジーに力をもらっていると感じていなければ効果はありません。

口調に気をつける

顔の表情やボディランゲージは、コミュニケーションに不可欠な役割を果たしています。直接会うことができなくなったときには、自分の書いた言葉がより重要な意味を持つことを認識することが重要です。

ビデオ通話を優先する

日常的に人と会うことに慣れている場合、リモートワークは孤立感を与える可能性があります。Microsoft社の記事によれば、「目を合わせて他の人間と物理的なつながりを持つことで、ドーパミンが増加し、ストレスホルモンであるコルチゾールが減少することを発見しました。<中略>相手の目を見るだけで物理的に落ち着かせることもできるという。」という興味深い調査も紹介されていることからも、目を合わせて話すことは心理学的な見地からも重要です。ビデオ通話でのコミュニケーションを優先したいものです。

タスクのリードタイムにゆとりを持たせる

従業員は子どもの世話や家庭での学習を手伝いながら、一夜にして新しい仕事の習慣を身につけなければならないことを誰もが理解し、ある程度の猶予を与えることが重要です。

在宅でもオフィスの文化を維持する

オフィス内で行われるインフォーマルな会話や交流は、企業文化を構築し、チーム内の仲間意識を強化するために不可欠です。<中略>バーチャルランチやハッピーアワーなどのインフォーマルな時間を仕事の中に組み込むことで、従業員は同僚とのつながりをより強く感じることができ、結果的にチームとして仕事をしようという意識が高まります。(引用:10 Ways Remote Workers Can Improve Communication Skills|U.S News, Remote Selling: How to manage a sales team remotely|pipedrive, |Remote work trend report: meetings|Microsoft

リモート営業で成果を上げるためのマネジメント

次に、チームのマネージャーによるマネジメント方法について考えてみます。コミュニケーションはその大部分を占めるかもしれませんが、それ以外にも注意を払うべき対象があります。セールストレーニングやコーチングのためのソフトウェアを提供するShowpadの記事を見てみましょう。

商品メッセージを統一するためのサポートをする

セールスチームは競合他社よりも説得力のあるストーリーを伝える必要がありますが、そのためにはマーケティングとの連携が取れていなければなりません。例えば、ナレッジの格差があったり、未公開の新機能を案内してしまったりする場合は、簡単な教育コンテンツを作成するのも手段の一つです。

必要なコンテンツをすぐに見つけ出せるようにする

マネージャーは、あらかじめリモートのセールス担当者に対して、適切なタイミングで、適切なコンテンツを使うための教育をしなければなりません。リモートのセールス担当者がより多くの時間を販売に費やし、コンテンツを探す時間を減らすことができるようにすることは生産性の観点から重要です。

セールスコーチングに優先順位をつける

営業研修は、一度きりのものではありません。継続的なコーチングは、中堅社員をトップセールスマンに育てるだけでなく、社員の成功に対する組織のコミットメントを示すものです。リモート環境下では、マネージャーは定期的にミーティングを開催して、コーチングすることを忘れてはなりません。忘れてはいけないことは、オンラインでも、できるだけ顔を合わせることです。

担当者が顧客とのエンゲージメントを高めるための投資をする

顧客のニーズに応じて、その場で必要な資料を見せることになるわけですが、視覚的に魅力的なコンテンツを配信することが重要です。

顧客に最高の購買体験を提供できるようにする

適切な分析ツールがあれば、売り手はどのコンテンツが買い手に響くかが分かり、その関心度を把握することができます。メールの開封数、ページごとのコンテンツ閲覧数、ダウンロード数などが把握できれば、担当者がコミュニケーションをパーソナライズするのに役立ちます。つまり、相手の関心に応じてどのような会話をするかを事前に立てることができます。                                                          (引用:Top 5 tips to boost remote sales team success|Showpad

リモート営業で成果を上げるための目標設定

最後に、リモート営業に最適化された目標設定について見ていきましょう。リモート環境下では、旧来の営業の指標によって、適切に担当者の成果を図ることが難しいからです。

通話量

チーム内の各担当者の通話量を追跡することから始めましょう。通話量は、各担当者が特定の時間帯に何件の電話を処理したかを測定するもので、電話を使って商談しているリモート営業担当者にとっては特に有益です。

担当者あたりのクローズド案件の獲得数

獲得した案件を追跡することは、担当者がどれだけノルマを達成しているかを把握するのに役立つだけでなく、チーム全体での成果を把握するのにも役立つことでしょう。さらに、獲得した案件と通話数を比較することで、売上を上げるために電話での活動がどれだけ効果的であるかをチームに伝えることができます。

担当者あたりの収益

担当者が成約した案件の数を把握することは重要ですが、特に担当者が会社の収益に大きな影響を与えない”小さな案件”を成約している場合もあります。この情報をトラッキングすることで、リモートで仕事をしているときに、チームがどれだけ効果的に仕事をしているかを知ることができます。

アウトリーチ活動

毎月、パイプラインに追加された新規リードと、その期間中に対応することができた案件の割合を追跡します。毎月この情報を把握しておくことで、四半期や年次の数字を把握し、必要に応じて戦略を練ることができます。

担当者ごとに使用している営業ツール

Sales for Lifeの調査によると、平均的な営業担当者は6つのツールを使用しており、企業は1人当たり年間3,984ドルを費やしています。リモート営業担当者にとって、適切なツールを使うことは重要な役割の一部となっています。

しかし、リモート営業担当が非効率的なツールを使用している場合、生産性と会社の収益に影響を与える可能性があります。どのようなツールが成果をスタックさせる一部になっているかを正確に追跡し、その有効性を定期的に評価することが重要です。

様々なチャネルから生成されたリード

リモート営業の場合、ソーシャルメディア、メールキャンペーン、バーチャル会議でのネットワーキングなど、リードを生成する方法は様々です。将来のリモート営業戦略に反映させるために、最も有益なリードがどこから来ているのかを理解することが不可欠です。

営業活動に費やされた時間の割合

多くの営業担当者が管理業務に追われ、実際に営業活動をすることができないのは周知の事実です。実際、XantのTime Management for Salesの調査によると、平均的な営業担当者は、36.6%しか営業活動に費やせていません。リモート営業チームにとって、案件の状況や時間の使い方について、オープンなコミュニケーションをとることは、成功のために非常に重要です。

営業担当者のオンボーディング期間

リモート営業チームでは、新しいチームメンバーの早期教育という独自の課題に直面しているため、この指標は特に重要です。リモートチームの場合は、新しいチームメンバーが自分の役割を快適に感じ、能力を発揮できるようになるまでにかかるまでの期間となります。新入社員がよりスムーズで効率的に仕事を始められるようにするためにはどうすればよいかを理解してください。
(引用:http://xant.frankdev.com/blog/time-management-for-sales-reps/


これらはすべて海外での事例ですが、今後日本でも求められるスキルと考え方になるはずです。慣れない環境で苦労しているマネージャーの方、また担当者の方の参考になれば幸いです。


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