SDR・BDR部門と営業部門の連携方法とは?失敗事例からポイントまで解説

契約獲得や売上拡大のために、営業活動の分業化をする動きが出てきています。顧客側が得られる情報は多岐に渡るため、高い専門性で満足して頂けるアプローチが余儀なくされてきているのです。そのため、営業活動を分業化して各担当者に専門領域を与えるために、インサイドセールス部門(SDRまたはBDR)を新設する企業が増えてきています。

しかし、営業活動を分業化して生産性向上を狙っていたはずが、情報共有や連携が上手くいかず失敗してしまう企業も多いです。このような問題を防止するために、正しい連携方法を覚えておきましょう。今回の記事では、SDR部門やBDR部門と営業部門の連携方法について解説します。

 SDR部門やBDRと営業部門の連携-役割-

部門間の連携について考える前に、各部門の役割を把握しておきましょう。

SDR(Sales Development Representative) Webサイトやウェビナー等のオンライン、展示会等のオフラインで獲得したリードにアプローチをして案件化する役割を担う
BDR(Business Development Representative) 営業リストに対してアプローチをして案件化する役割を担う
営業 SDRやBDRから引き継いで案件の商談化をする役割を担う

 SDR部門やBDR部門と営業部門の連携-失敗例-

SDR部門やBDR部門を立ち上げたけれど、営業部門との連携ミスで悩む企業も珍しくありません。営業の分業化が失敗する要因とは何なのでしょうか?ここでは、営業活動を分業化した場合に起きる失敗例をご紹介します。

KPI達成のため見込み度の低い案件を渡す

営業活動を分業化した場合、各部門でKPIが定められています。インサイドセールス部門(SDRまたはBDR)では、以下のようなKPIが定められているケースが多いです。そのため、インサイドセールス側がKPIを達成するために、数を重視して見込みが低い案件を渡してしまい、受け取る営業側の工数が無駄になってしまい全体のKPIが未達になってしまう問題が発生してしまいます。このような事態を招かないように組織を設計しなければなりません。インサイドセールス部門のKPI設定についてはこちらの「インサイドセールス部門のKPI設定方法!項目からポイントまで解説」をご覧ください。

 

SDR BDR
  • リード数
  • リードのフォロー完了率
  • 各リードの商談獲得率
  • 架電数
  • メール送信数
  • 架電とメールの合計アクション数
  • 商談獲得件数
  • 商談獲得金額
  • 有効商談数
  • 受注件数
  • 受注金額
  • 営業リスト件数
  • アプローチ完了率
  • リード数
  • C×Oレターの送付
  • 架電数
  • メール送信数
  • 商談獲得件数
  • 商談獲得金額
  • 有効商談数
  • 受注件数

各部門の視野が狭くなってしまう

営業活動を分業化すると、各部門がKPI達成のために取り組んでいきます。営業活動の分業化をするることで、見込客の育成を担う”SDR”、新規案件獲得を担う”BDR”、契約の獲得を担う営業と部門毎の専門性が高めることができます。その結果、営業活動の効率化が進み、想像以上の結果を導き出せるのです。

専門性が高められるメリットがある営業活動の分業化ですが、他の部門まで配慮できないスタッフも出てきます。各部門のスタッフの視野が狭くなってしまうため、”The Model”の概念を活用して、組織全体の流れが把握できるような環境を整備すると良いでしょう。

顧客の詳細情報が共有できていない

営業活動を分業化する場合は、顧客の情報共有は欠かせません。しかし、営業活動の分業化をするほど情報共有不足が起きます。とくにリモートワーク環境化では、CRM上で顧客管理の共有を行うことになりますが、十分な顧客情報が管理されていないケースが多いです。

また、大量の情報が入力されているけれど要点が掴みにくいなど、情報共有に悩みを抱える企業も存在します。

出典元:営業組織の分業化の功罪とは?解決につながるKPI設計

情報共有・協力関係ができないことから成果があがらない

インサイドセールスとフィールドセールスが対等な立場でビジネスを推進できていないことや、フィールドセールスから案件に対するフィードバックの仕組みがないことなどにより成果があがらないケースがあります。

特に注意して欲しいのは「インサイドセールスとフィールドセールスが対等な立場でビジネスを推進できていない」ことです。両者の連携がうまくいっていない企業ではフィールドセールスが、インサイドセールスを「単なる営業アシスタント」として見ている傾向があります。

本来、インサイドセールスとフィールドセールスの立場は対等です。「クロージングするから偉い」なんてことは決してありません。故に、インサイドセールスとフィールドセールスの間で互いに尊重し合う組織文化を作ることが大切です。そうした環境下でこそ、スムーズな情報連携や協力関係を築くことができます。

(参考:https://bales.smartcamp.co.jp/article/blog-8

SDR部門やBDR部門と営業部門の連携-ポイント-

SDR部門やBDR部門と営業部門の連携は失敗する恐れがあると理解して頂けましたか?しかし、ポイントを押さえておけば、失敗を防止できます。次に営業活動を分業化する場合のポイントについて詳しく解説します。

1.領域を明確に定めて分業化する

インサイドセールス(SDRBDR)は領域を定めて分業化をしましょう。インサイドセールス部門内でも業務を分業化することにより、顧客に質の高いアプローチが行えて、見込顧客の育成や商談化がスムーズに進みやすくなります。

2.BANT情報で見込み度を測定する

営業部門に引き継ぐ案件の見込み度が低いと、営業担当者の無駄な労力が生じます。組織全体的に非効率な営業活動になりかねません。そのため、有効商談とカウントする案件を定義化しておきましょう。

BANT情報(予算・決裁権・必要性・導入時期)で見込み度を測定して、一定基準以上の案件を引き継げば、商談契約率が上がり効率性の高い営業活動が実現できます。

※補足:セールスにおけるBANTとは?

  • B:Budget(予算はいくらか?)
  • A:Authority(決裁権は誰が握っているか?)
  • N:Needs(製品やサービスへのニーズはどれくらいあるか?)
  • T:Timeframe(導入時期はいつか?)

3.定期的に情報共有する場を設ける

SDR部門やBDR部門と営業部門を連携させるためには、定期的な会議の場を設けて情報共有する場を設けてください。

営業活動を分業化すると、各部門の視野が狭くなると説明しました。そのため、総客した見込顧客が契約まで至ったのか、営業組織全体の会議を設けて確認しましょう。営業組織全体でのKPIが達成できたかを共有すれば、組織を俯瞰視した行動ができるようになります。

4.CRMを最大限に活用する

営業活動を分業化する場合は、CRM(顧客管理システム)を活用してください。CRMには顧客情報を入力するだけでなく、引き継ぐ際のメモ書きを残しておきましょう。

顧客対応後にCRMに進捗状況を入力すれば、各顧客の状況をリアルタイムでモニタリングできるようになり、マネジメント面でも役立ちます。

5.音声データを保存しておく

CRMを活用して顧客情報を管理・共有できますが、全ての情報を入力することは難しいです。そのため、音声データを保存しておきましょう。音声データを保存しておけば、営業活動中に顧客トラブルが発生した場合に原因を解明できます。また、文字の伝達ではわからないパーソナリティなど、商談データを録音しておけば伝達できます。

(出典元:SocialMediaToday「Partnering Inside Sales & Field Sales」)

SDR部門やBDR部門と営業部門の連携の成功事例

SDR部門やBDR部門と営業部門を連携する場合のポイントをご紹介しました。次に、実際に連携で成功している企業の成功事例をご紹介します。音声データを保存するだけではなく、通話内容を自動で録音解析するクラウドIP電話MiiTelを活用することで、部門間の連携に成功した事例を以下記載しますので、参考にしてください。

ユーザーベース社

インサイドセールスが普及する前から、インサイドセールス業務に従事していた方がSDR部門のマネージャーを務めていることが強みの株式会社ユーザベース。

インサイドセールスとフィールドセールスとの連携に関しては、従来は録音が残らなかったため、記憶をもとに引き継ぎメモを作成してフィールドセールスへ渡すだけになっており、必要な情報を網羅できていなかったり、トークの内容を忘れてしまったりすることもありました。さらには、言語化しにくいお客さまの話し方やパーソナリティまで伝えきれていませんでした。

MiiTel導入後は、フィールドセールスにおいてはMiiTelの通話記録のおかげで商談がスムーズになったり、インサイドセールスとフィールドセールスの関係性がより対等になったことで成果があがっています。

(参考:https://miitel.revcomm.co.jp/archives/case/2236

あしたのチーム社

地方に住むインターンの方の採用などリモートワークで優秀な人材獲得に成功している株式会社あしたのチーム。

各メンバーが離れて働く環境の中、顧客情報の共有は欠かせるものではありません。そのため、Salesforce社のCRMを活用した情報共有だけではなく、MiiTelを活用した商談内容の共有まで行っています。

商談データを保存しておけば、顧客パーソナリティまで共有できます。このような詳細情報の共有で顧客対応力を強化し、リモートワーク環境でも高いアポイント獲得に成功しています。

(参考:https://miitel.revcomm.co.jp/archives/case/2175

 

リアステージ社

2014年の創業以来、急成長を遂げているベンチャー企業株式会社リアステージ。経験や勘に頼らないデータドリブン型マネジメントを実現させるべくMiiTelを導入。

データ解析だけではなく、メンバーと「つながる」、メンバーを「知る」ことが、生産性向上に大きく貢献しています。実際には、生産性が2倍以上に上がっており、特に開拓貢献数(獲得した商談のうち、フィールドセールスにトスアップして実際にお客さんになった数の比率)に関して10%から20%に上げることに成功しました。

(参考:https://miitel.revcomm.co.jp/archives/case/2198)

まとめ

今回は、SDR部門やBDR部門と営業部門の連携方法について解説しました。最後に連携方法のポイントを押さえておきましょう。

【連携方法のポイント】

  1. 領域を明確に定めて分業化する
  2. BANT情報で見込み度を測定する
  3. 定期的に情報共有する場を設ける
  4. CRMを最大限に活用する
  5. 音声データを保存しておく

上記のポイントを押さえておけば、連携ミスなどを防止できるはずです。この記事では、営業分業化に成功している企業をご紹介しましたので、ぜひ参考にしてみてください。