組織全体で営業力強化しているけれど「理想の結果が見込めない…」と悩む企業も珍しくありません。このような問題は顧客リストアップとアプローチ方法を見直せば改善できます。一体、どのように改善すればよいのでしょうか?この記事では、顧客リストアップの方法&顧客リストへの効果的なアプローチ方法をご紹介します。ぜひ、営業力強化の参考にしてください。
顧客リストアップの5つの手順
まずは、顧客リストアップの手順をご紹介します。
1.顧客管理システムのデータ分析をする
まずは、顧客管理システムのデータ分析を行います。顧客のニーズは多様化しているため、ビジネスを成功させるためには既存顧客や見込顧客の分析は欠かせません。データ分析を行えば「どんな属性の顧客が商品を購入してくれているのか?」を把握でき、営業戦略が立てやすくなります。
2.顧客リストをセグメント化する
顧客管理システムのデータ分析を終えたら、顧客をセグメント化して整理しましょう。顧客をグループ分けすることをセグメンテーション、分類された集団をセグメントといいます。
セグメンテーションの基準で使用されるものは、BtoCビジネスは「年齢」「性別」「職業」「住所」「世帯人数」です。BtoBビジネスの場合は「業種」「規模」「エリア」などでセグメント化します。
3.ターゲット顧客を定める
顧客リストをセグメント化したら、どのグループをターゲットに設定すべきか決めていきます。その後、選択したセグメントの顧客像を具体的にイメージしていきましょう。
ターゲット顧客像を明確にするほど、精度の高いアプローチができます。ターゲット顧客を定めておけば、各部門間で生じる認識のズレを防止する効果が期待できます。
4.スコアリングをする
リストアップする顧客像を明確に定めたら、該当するリストのスコアリングをします。スコアリングの項目は「企業属性」「個人属性」「行動履歴」の各項目のスコアを計測していきます。一定基準のスコアを満たしたものをリストアップしましょう。
(参考:https://www.onemarketing.jp/lab/marketing-automation/74)
補足1:マーケティング活動で顧客リストを増やす
顧客リストアップしたら終わりではありません。マーケティング活動で顧客リストを増やし続けることが大切です。顧客リストを獲得するためには、下記のような手法があります。
- リスティング広告、ディスプレイ広告
- 外部メディア掲載
- コンテンツマーケティング
- メルマガ
- SNS(SNS広告含む)
- セミナー、ウェビナー
- イベント・展示会への出展
(参照:instore「6 Creative Ways to Use Your Customer List」)
補足2:データクレンジング、メンテナンスをすることで品質を上げる
データの誤まりや重複などは排除して正規化を行いましょう。さらには、データは常に最新のものになるようにメンテナンスをしていきましょう。
(参照:https://meibo-engine.com/cleansing)
顧客リストへの効果的なアプローチ方法
顧客リストをピックアップしたら、各顧客へアプローチしていきましょう。ここでは、効果的なアプローチ方法をご紹介します。
1.顧客に関する事前調査を実施する
まずは、顧客に関する事前調査を実施します。顧客管理システムに登録されている顧客の業種・規模・売上高・役職などを確認してください。
また、解析ツールなどを使用すれば、Webログ解析情報が取得できます。どのような経由でお問い合わせがされてきたかを調査しましょう。
2.顧客が抱えている課題を仮説立てする
顧客情報の調査を終えたら、顧客が抱えている課題を仮説立てしていきます。例えば、同業種・規模の既存顧客が製品購入に至った経緯などを調べれば仮説立てができます。
また、Webログ解析をすれば、どのようなことに興味・関心があるか仮説立てできるでしょう。アプローチ前に仮説立てをすることにより、顧客を上手に誘導できるようになります。
3.顧客に質問をして課題を認識させる
お問い合わせをしてくれた顧客は、少なからず自社製品に興味を持っています。しかし、顧客の中には課題や要望を上手く伝えられない方がいます。
また、課題解決の重要性に気付いていない場合もあるので気をつけましょう。そのため、顧客に質問しながら誘導し課題を認識させます。
例えば、同業種の他社の事例を提示して「他社ではこのような課題があるとお聞きするのですが、御社は課題に感じていませんか?」など質問して誘導すると効果的です。
4.顧客の課題を解決できる方法を提示する
顧客に課題を認識してもらえたら、課題解決の方法を提示します。顧客の課題を解決できる製品であれば、ベネフィットを感じてもらえるでしょう。ベネフィットを伝える場合は数値化で効果を提示してあげると効果的です。
また、無料トライアルなど気軽に試せるものを用意すればクロージングしやすくなります。
(参照:BADGER「The Complete List of Sales Techniques」)
顧客リストへアプローチする場合の6つのテクニック
顧客リストへのアプローチ方法をご紹介しましたが、テクニックを併用すると商談化率・契約率が上げられます。ここでは、顧客リストへのアプローチに効果的な6つのテクニックをご紹介します。
1.SPIN話法を活用する
SPIN話法とは、顧客の潜在ニーズを引き出す営業手法です。以下の4つの質問を顧客に投げかけて、顧客に潜在ニーズに気づかせて円滑な商談を実現するためのテクニックです。
Situtation(状況質問) | 顧客の現在の状況について質問する
(例)×××の業務は、どのように行われていますか? |
Problem(問題質問) | 現在の状況を聞いた上で、問題の仮説立てをする
(例)業務に追われていて、新たな施策を実行できない状況ではないですか? |
Implication(示唆質問) | 問題が解決しないことで発生する事態に気付いてもらう
(例)新たな施策を実行すれば、業務改善ができて生産性が上げられそうですね? |
Need-payoff(解決質問) | 問題を解できた状況をイメージしてもらう
(例)×××の業務効率化を図るツールを活用してみたいと思いませんか? |
2.70:30ルールを守る・ヒアリングに時間を割く
70:30ルールとは、Talk:Listen比率を70:30に調整することをいいます。顧客にアプローチをする場合は、顧客の要望や課題を引き出す必要があります。
回答しやすい質問を投げかけて誘導し、要望や課題を上手に引き出してください。その後、要望を実現する方法や課題解決方法を提案してあげます。Talk::Listen比率を補正すれば、商談化率・契約率が上げられます。
3.統計や画像を使用する
自社製品を購入してもらうためには、顧客に課題に気付いてもらう必要があります。
質問で誘導して課題に気付かせる方法もありますが、統計学や画像を提示して衝撃を与えると利業効果を上げられます。とても効果が出る営業テクニックですが、不安を煽り過ぎないように気をつけなければいけません。
4.製品の希少性を訴求する
顧客の購買意欲を掻き立てるために、製品の希少性を訴求しましょう。これは、希少性の原理を活用した営業テクニックです。
「期間限定」「数量限定」などの宣伝方法が幅広く利用されていますが、需要に対して供給が少ない状態を示して顧客の購買意欲を上げていきます。「販売数量」「販売期間」「価格(特別)」を提示して希少性を訴求することで受注に繋げる手法です。
5.ミラーリングを活用する
ミラーリングとは、同じ仕草・行動をとる人を仲間と認識する習性を利用した営業テクニックです。相手の仕草・会話のスピード・感情をミラーリングします。商談時に鏡のように相手の行動を真似ることで、顧客との信頼関係を構築していきます。
ミラーニングの本質は類似性の法則で、共通点が多い人に行為を抱きやすくなる心理術を活用したものです。
6.信頼関係を築くために正直に話す
顧客へアプローチする際に、契約を獲得したいという気持ちでデメリットを隠さないようにしましょう。自社製品のメリットだけを伝えても顧客の信用は得られません。
ネガティブな情報を正直に話すことで「正直で信頼できる担当者だ」と感じてもらえます。顧客と信頼関係を築くためにも、物事は正直に話しましょう。
(参照:BADGER「The Complete List of Sales Techniques」)
まとめ
この記事では、顧客リストアップと効果的なアプローチ方法をご紹介しました。最後におさらいをしておきましょう。
【顧客リストアップの方法】
- 顧客管理システムのデータ分析をする
- 顧客リストをセグメント化する
- ターゲット顧客を定める
- スコアリングをする
【顧客リストへのアプローチ方法】
- 顧客に関する事前調査を実施する
- 顧客が抱えている課題を仮説立てする
- 顧客に質問をして課題を認識させる
- 顧客の課題を解決できる方法を提示する
正しい手順を把握しておけば、営業力強化につなげられるはずです。ぜひ、これを機会にアプローチ方法を見直してみてください。