連続インタビューVol.3 Sansan畑井氏「Sansanが行うSales Enablementの取り組み7E(情報のE、組織ルールのE)」

みなさん、こんにちは。

Sansan株式会社 Sales Enablement Groupの畑井 丈虎氏へのインタビュー、第3回です。
第2回は「組織の成長に不可欠なチーム経営」と「Sansanが注力するSales Enablementの取り組み・7E(人のE)」について、お話していただきました。

今回は7Eの「情報のE」と「組織ルールのE」についてお話を伺ってまいります。


第1回 Sansanが注力するSales Enablementとは?
第2回 Sansanが行うSales Enablementの取り組み「7E」(人のE)
第3回 Sansanが行うSales Enablementの取り組み「7E」(情報のE、組織ルールのE)
第4回 Sansanが拓く、営業組織強化の道


Sansan株式会社
Sansan事業部 Sales Enablement Group
畑井 丈虎氏 / Taketora Hatai
東京工業大学卒。2015年4月にSansan株式会社へ入社し、エンタープライズ営業を経た後、シンガポールで現地の営業基盤作りに奔走。2018年4月からはSales Enablement Groupを立ち上げ、営業組織の強化に取り組んでいる。

第3回 Sansanが行うSales Enablementの取り組み「7E」

組織活動の命、現状分析

ーー7Eとは、Sansanが一流の営業チームに共通する点をまとめ、フレームワーク化したもの(詳しくは第2回)であり、大きく分けて「人」、「情報」、「組織ルール」の3つで構成されてました。前回は「人のE」についてお話戴きましたので、今回は「情報のE」と「組織ルールのE」についてお話を伺いたいと思います。
ーーまずは、情報のEのうち、Effective Date Driven Management(効果的なCRM活用)について

畑井
データドリブンは、組織のPDCAを円滑かつ効果的に回していくための根幹をなすものです。
現状把握をすることで、今後の活動方針が定まり、それを基に活動をしていきます。そのため、現状把握の正確性が高ければ高いほど、直結的に良い結果を生み出します。

これは基本的なことでありますが、組織の中で一部だけの人がこのサイクルを認識し、実行できたとしても会社全体としては大きな力となりません。Sansanでは、「チーム経営」のもと、全メンバーが会社の現状を把握することで、自ら主体的にPDCAを回していくことが求められます。

そのため、Sansanでは全メンバーがデータドリブンに数字を見て、そこから組織の課題を容易に分析できる環境を整えることに力を入れています。

部長-マネージャー(GL)間では定点観測すべき指標を定義することや全体の基準である案件フェーズを全営業メンバーでブレないように確認をすることなどを通して、全体としての認識のズレをなくすことを意識しています。

また、より正確なデータ分析をするためにSansanでは3段階から8段階へと案件フェーズの刷新を行いました。また、Salesforceをベースに売上、パイプラインリードジェネレーション、期待MRRの4つを指標として定点観測することを通して、全体での現状把握からの組織のPDCAを回すことに注力しています。


ーー5.Experience Platform、(営業ナレッジ共有)について

畑井
営業ナレッジのシェアのため、毎月案件のケーススタディー共有会を実施しています。

具体的なケーススタディー共有会の内容は、各メンバーが営業で大型案件が獲得できるケースをフレームワーク化し、それに沿ってフェーズ毎に行ったことを具体的に発表してもらうことです。

Sansanにおいて、このケーススタディー共有会は大きな役割を持っています。
その理由は、Sansanの営業の特殊性にあります。

Sansanは、まだ市場が完全に確立していない名刺管理市場で戦っています。さらに、マーケットリーダーとしてプロダクトを日々進化させているので、日々日々、マーケットに変化があります。そのため、営業担当がマーケット状況、売り方のベストプラクティスを発表し、営業組織としてのナレッジをアップデートしていくことの意味は大きいです。

将来的には、ナレッジを蓄積していくためのポータルなども構築して、情報共有の基盤を創っていきたいと思っています。

ーー6.Empowerment Team、(組織ルール)について

畑井
組織ルールで力を入れているのは、人事配置と権限フレームの2点です。

まず、人材配置で大切にしていることは、個人の特性に合わせた配置をすることです。
部長陣とSales Enablement Groupが組織設計を企画し、部長と各マネージャー(GL)が人レベルの配置しています。Sansanには、”強みを活かす”というValueがあり、個々人の強みをいかに発揮する組織にしていくか、というテーマを常に考えています。

権限フレームとは、簡単に説明すると意思決定権限をまとめたものです。

プロダクトや、価格条件などの意思決定権をあらかじめ定義することで、営業担当でも現場で迅速に意思決定できる状況を創り出しています。

採用は現場の声から

ーー7.Employee Vision、(採用)について

畑井
採用において大事なのは、現場も当事者意識を持って採用に関わっていくことです。
以前までは人事が採用のKPIを握っていました。しかし、現在は現場マネージャが採用目標のKPIを持っています。
これは、採用に対する責任を現場に持たせることが狙いです。

必要な人材がどのような人かは現場の人が1番理解しています。例えば、今のチーム体制で見ると、推進力のある人が必要なのか、あるいは話を聞ける人が必要なのかといった所は現場の人間が知っています。現場がそこを認識し、人事へどのような人が必要であるかという要求を届けることによって、より良い人材配置が可能となります。

実際に今まで現場マネージャと面接していても「良いと思いますよ、活躍できると思います。」というような感じだったものが、「いや、この人絶対欲しいです、なぜならばこういう人材必要だからです」といった人事へのフィードバックが増えてきています。

それに加え、人事と現場のコミュニケーションが以前よりも各段と増えたところから、人事は現場の特性を、現場は求める人材をお互いに認識してきています。こうした相互のコミュニケーションの中で、自ずと採用基準もチームによって明確化されていきます。

次回予告

お話はまだまだ続きますが、今回はここまでとさせていただきます。
次回は「Sansanが拓く、営業組織強化の道」を公開いたします!
お楽しみに。

【過去記事】
第1回 Sansanが注力するSales Enablementとは?
第2回 Sansanが行うSales Enablementの取り組み「7E」(人のE)


Sansan株式会社について

2007年の創業より法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」を開発・提供しています。「Sansan」は「名刺を企業の資産に変える」をコンセプトに、社内に眠る名刺をデータ化し、人と人のつながりを情報として可視化・共有できるクラウド名刺管理サービスです。2012年より個人向け名刺アプリ「Eight」を提供開始。ソーシャルの仕組みを取り入れ名刺をビジネスのつながりに変える新たなビジネスネットワークとして、登録ユーザーは200万人を超えています。