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顧客理解から始めるリードナーチャリング (2)ナーチャリングの手順

2021年08月19日

顧客理解から始めるリードナーチャリング (2)ナーチャリングの手順
2021年8月5日に開催した「顧客理解から始めるリードナーチャリング」セミナー内容を要約しましたので、リードナーチャリングを実施する際の参考にしてみてください(今回は後編になります)。
株式会社才流 マーケティングコンサルティング事業責任者 澤井和弘氏 SAIRUマーケティングコンサルタントとして、大手企業からベンチャー企業までのマーケティングプロジェクト支援を担当。BtoBマーケティング部門の起ち上げで、月間500件のリード獲得に成功。また、BtoBマーケティング支援で月間リード数200件まで拡大させた実績を保有する。顧客理解を深めたナーチャリングが得意で、商談化するリード獲得を得意としている。 企業URL:https://sairu.co.jp/ Twitter: https://twitter.com/sawapp
マーケティング施策で成果を出すには「顧客理解」が必要です。顧客理解を踏まえたナーチャリング(顧客育成)を行っていけば、商談化率・成約率を上げることができます。 しかし、ナーチャリングの正しい手順を把握しておく必要があります。実際に、どのような手順でナーチャリングを行えば良いのでしょうか?この記事では、顧客理解を踏まえたナーチャリングの手順について解説します。

顧客理解を踏まえたナーチャリングの手順

前回の記事では、マーケティング戦略を検討する前に「顧客理解」が大切だと述べました。顧客理解ができたら、ナーチャリングの手順を学んでいきましょう。

1.ペルソナを作成する

まずは、ペルソナを作成します。ペルソナ(persona)とは、企業の象徴的なユーザーモデルのことをいいます。年齢や性別、職業や趣味、家族構成などの属性を細かく設定していくことで、ターゲット顧客を具体化していく概念です。 ターゲット顧客像を具体化することで、マーケティング施策が絞り込めて高い効果が得られるようになります。 しかし、ペルソナを作成する場合の注意点があるので気をつけてください。それは、属性だけではなく、ペルソナが抱えている「課題」や「実現したいこと」を具体化すること。これらを具体化しておくことで、どのような情報を提供していけば良いかが分かるようになります。 ペルソナ像を各部門で共有しておくことで、マーケティングをはじめ、商品開発や営業活動などブレずに行えるようになります。

2.カスタマージャーニーマップを作成する

次に、カスタマージャーニーマップを作成していきます。カスタマージャーニーマップ(Customer Journey Map)とは、サービス購入までの一連のプロセスを視覚化したものです。 消費者購買モデルには、AIDMAやAISAS、SIPSなどがあります。ここでは「認知」「理解」「検討」「商談」に分けています。各フェーズの顧客の行動を記載していき、タッチポイント(情報接点)やコンテンツを考えていきましょう。 例えば、検討段階のお客様には「〇〇システム体験会」を案内して、ソリューション紹介をしていくなどのアプローチ方法をフェーズ毎に決めていきます。

3.マーケティングの階段を設計する

ペルソナとカスタマージャーニーマップを作成できれば、マーケティングの階段設計に完成します。マーケティングの階段設計を設計しておかなければ、顧客のフェーズ毎のアプローチ方法が分からなくなります。 例えば、セミナー参加者のリストを作成したけれど、アプローチ方法が分からないと悩む方は多いです。 よくある失敗事例が、顧客リストに商談を打診してしまうこと。具体的に検討していない顧客に対して、商談を打診すると嫌悪感を抱かれてしまいます。 受注までには、顧客との信頼関係の醸成が必要です。そのため、各フェーズのアプローチ方法が分かるようにマーケティングの階段を完成させましょう。

4.階段の位置に応じたアプローチを図る

マーケティングの階段を参考にしながら、顧客の行動変容を促すアプローチをしていきます。 自社サービスの存在を知らない潜在顧客に対しては、課題を認識してもらうことから始めます。メディア掲載やブログ記事で旬な情報を発信して、課題に気付いてもらいましょう。 課題に気付いた顧客は、課題を解決するために、さまざまな情報収集を始めます。自社サービスに興味を持ってもらえたら、無料体験セミナーや成功事例セミナーに招いて、課題解決を喚起しましょう。 これらのステップを大切に踏むことで商談率や受注率が上がります。

5.各企業と1対1のコミュニケーションを図る

 マーケティングの階段に応じたアプローチが大切だと述べました。それと同時に各社の状況に合わせたアプローチをしましょう。 例えばですが、自社サービスを知らない潜在顧客が具体的に話を聞きたいと思うこともあるでしょう。このような1社1社の状況を把握して、最適なアプローチをしていくのがインサイドセールスの役割となります。ナーチャリングと融合させれば、より効果が見込めるはずです。  

ナーチャリングに関する質問

セミナー参加者の方から、ナーチャリングに関する質問が多く寄せられました。一部の質問をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

Q.インサイドセールスにリードを渡す基準とは?

ペルソナとカスタマージャーニーを作成して、マーケティングの階段を完成させれば、各顧客に対するアプローチ方法が明確になります。 どの段階にいる顧客(リード)をインサイドセールスに渡すかを決めていきましょう。設計図に落とし込むことで運用がしやすくなります。

Q.ナーチャリングとインサイドセールスの分け方は?

受注率の高そうな顧客はインサイドセールスに供給をしましょう。例えば、セミナー参加者リストに決裁権のある人物の情報があれば、インサイドセールスに回すなどがあります。 また、既存顧客の情報を分析すると、共通点が見つかるはずです。その共通点に該当するリードをインサイドセールスに供給していきましょう。

Q.ペルソナ設計は何を根拠に設計するのか?

前半の記事でご紹介をしましたが、ペルソナを作成するために顧客理解をする必要があります。顧客理解をする方法として「顧客インタビュー」「営業データ解析」「他部門と意見交換」「ユーザーテスト」などがあります。 各方法の詳細については「顧客理解から始めるリードナーチャリング (1)顧客理解を深める方法」で解説しているため参考にしてみてください。 また、ペルソナ設計は、1度で完成するものではありません。顧客の環境は都度変わるため、定期的にペルソナを見直す必要があります。

Q.配信コンテンツの区分はどうすればいいのか?

カスタマージャーニーを作成しながら、ファネル毎の配信コンテンツを考えていきます。
認知 顧客に課題に気付いてもらう必要がある。見込顧客にインタビューをして、どのような課題を抱えているかをヒアリングする。課題に気付いてもらうために注意喚起を呼び掛けるコンテンツ配信をする。 例)課題喚起をするためのプレリリース
理解 顧客が抱えている課題を他の人はどのように解決したかを伝えていく。既存顧客へインタビューして成功事例をまとめておく。 例)成功事例
検討 課題解決に関する理解を深めた顧客に対して、自社サービスで課題が解決できることを訴求する。 例)ソリューション紹介
行動 お客様が商談を希望する。 例)お問い合わせ

まとめ

顧客理解をした後に正しいナーチャリングをしていけば、リード獲得率・商談化率・受注率を上げていくことができます。最後に、顧客理解方法とナーチャリングの手順を振り返っておきましょう。 【顧客理解の方法】
  • 顧客へのインタビュー
  • 営業データを解析する
  • カスタマーサポートやセールス部門と情報交換する
  • ユーザーテストを実施する
【ナーチャリングの手順】
  • ペルソナを作成する
  • カスタマージャーニーマップを作成する
  • マーケティングの階段を設計する
  • 階段の位置に応じたアプローチを図る
コロナ禍で、デジタルマーケティングに取り組む企業が増えてきました。この記事で紹介した内容は、マーケティング施策に役立つはずです。ぜひ、マーケティングの参考にしてみてください。
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