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インサイドセールス部門のKPI設定方法!項目からポイントまで解説

2025年05月02日

インサイドセールス部門のKPI設定方法!項目からポイントまで解説

デジタルツールで営業データが取得できるようになり、インサイドセールス部門を立ち上げる企業が増えてきました。営業データを活用して営業効率化を上げるインサイドセールスでは、KPI設定が必要不可欠です。しかし、どのようにKPIを設定すれば良いか分からないと悩む企業も存在します。
そこで、本記事ではインサイドセールスのKPIの設定方法について分かりやすく解説します。

インサイドセールス部門でKPIを設定する必要性

インサイドセールス部門のミーティングでは「アクション数」「商談化件数の進捗」「商談化率」などの状況を話し合い、目標売上を目指していきます。KPIを設定することで「目標値」と「現在値」の差が明確に分かるようになります。

その結果、目標売上を達成するために、どのように営業活動を改善していけば良いかが明確になるのです。KPI設定することで、営業戦略の筋道が立てられるようになり、各自の業務内容や目標が立てやすくなります。

このような効果が得られるため、インサイドセールスのKPI設定は欠かすことができません。

インサイドセールスでKPIを設定する前の準備方法

インサイドセールス部門は、マーケティング部門や営業部門と連携しながら、受注・成約の獲得を目指していきます。他部署と上手く連携するためにも、マーケティング部門から受け継ぐリードの質や、営業部門へ渡す商談の質に関して定義を定めておく必要があります。

これらの定義を明確にしないまま、KPIを設定しても、理想通りの効果は得られないので注意してください。

では、実際に、どのような準備を行えば良いのでしょうか?ここでは、インサイドセールスのKPIを設定する前の準備方法について分かりやすく解説します。

STEP1:有効リードの定義を決める

マーケティング部門から提供されるリードの質はバラバラです。すぐに成約に至るリードもあれば、電話を掛けても通じずに離脱するリードも存在します。どのようなリードを有効とするか決めておかなければ、商談化できない顧客に時間を充ててしまう非効率的な営業になってしまうでしょう。このような問題が発生しないように、下記の表を参考にしながら、有効リードの定義を決めていきます。

基本ルールデータ欠損(社名や連絡先が正しくない)リードを除外するか?
企業に属さない個人のリードを除外するか?
ターゲット顧客以外のリードを除外するか?
既存顧客からのリード既存顧客のリードを除外するか?
既存顧客のセミナー出席者を除外するか?
既存顧客の既契約製品のお問い合わせを除外するか?
温度感や確度の低いリードホワイトペーパーのダウンロードなど見込度の低いリードを除外するか?
展示会で獲得した名刺を除外するか?
展示会で獲得した名刺の中でも高位役職者はカウントするか?
アクション後の判断所定回数のアクションをしたが、着電や返信がない場合は除外するか?
誤登録があると判明した場合は除外するか?
検討や導入に関係ない部門や役割であると判明した場合は除外するか?

STEP2:商談化の定義を決める

商談化の定義を決めておかなければ、インサイドセールス部門側で「商談件数を創出しているのに、営業が成約を取らない」と言い、営業部門側で「パスされる顧客の質が悪いから成約に至らない」と言い出します。このような問題を回避するために、商談化の定義を決めましょう。

良い商談とは、定量的で客観的に判断できるものです。成約した商談から共通項を見つけ出し、良い商談とは何かを分析していきます。下記の表は参考ですが、同じ商材でもターゲット顧客が変わるだけで良い商談の定義が変わります。下記の表を参考にして、商談化の定義を決めてみてください。

(例)顧客管理システムを提供する場合

中小企業向け大手企業向け
・お客様に課題があり、自社製品を提供することで解決が可能である
・商談開始後20日以内に受注する可能性がある
・5名以上の営業部門がある
・営業改革の見直しが事業計画に織り込まれている
・商談単価が1,000万円以上である
・役職者との接触である

STEP3:失注の定義を決める

失注の定義を明確にすることは、営業活動の改善に欠かせません。商談が不成立に終わる理由を分析することで、営業プロセスの課題を把握し、より効果的な戦略を立てることができます。

失注には、競合他社への決定、予算不足、商材のニーズ不一致など、さまざまなパターンがあります。これらを整理し、具体的な基準を設けることで、検証と改善のサイクルを加速させることが可能です。

失注理由のカテゴリ具体例
競合他社に決定他社製品を選択し契約終了
予算不足予算確保が難しく導入見送り
ニーズ不一致既存システムと互換性がない
商談停滞一定期間進展がなく失注扱い

このように、失注の理由を体系的に整理し、分析することで、次の商談に活かすための改善策を講じることができます。結果として、営業の精度向上や成約率アップにつながるでしょう。

インサイドセールスのKPIの設定項目

準備を整えたら、インサイドセールス部門のKPIを設定していきます。どのようなKPI項目を設定すれば良いのでしょうか?ここでは、インサイドセールスのKPIの設定項目について解説します。

アクション数

アクション数とは、インサイドセールス担当者が行う具体的な営業活動の回数を示す指標です。これには、架電数、メール送信数、資料送付数などが含まれます。適切なアクション数を設定し管理することで、営業成果を最大化できます。
アクション数は、営業プロセスの各ステップに影響を与えます。

たとえば、「アクション数×コネクト率=コネクト数」「アクション数×商談化率=商談化件数」「アクション数×受注率=受注件数」と計算できるため、アクション数が増加する度に、各自の数値が上がることになります。

そのため、1日に何件コールすれば良いのかなど、アクション数の目標は明確に定めておく必要があります。

通電数

電話番号が使用されており、受付担当者が電話に出た件数のことをいいます。

コネクト数

コネクト数とは、見込顧客にアプローチをして得た通話回数のことをいいます。架電を主業務とするため、KPI項目にコネクト数を設定しましょう。アクション数だけにしてしまうと、表面的な架電数だけを追う恐れが出てきます。従って、見込顧客との通話回数であるコネクト数もKPI項目に設定しましょう。

商談化件数

商談化件数とは、商談に進んだ件数のことをいいます。アプローチ件数のうち、商談化件数の割合を示す指標を商談化率といいます。商談化率が高ければ、効率的に営業が行えていると捉えて問題ありません。商談件数の獲得は、ビジネスの拡大や売上アップに欠かせないものです。

リード獲得に成功していても、商談化できなければ、ビジネスの成功(売上アップ)は見込めません。従って、商談化率を把握して、効率的に営業が行えているかを定期的に見直す必要があります。この見直しをするためにも、商談化率の目標値を定めておきましょう。

商談への貢献率

リード育成をして商談化する方法は、メールマーケティングやイベントマーケティングなどもあります。全体の商談件数に対して、インサイドセールスがどれだけの件数を創出しているかの貢献率の目標値を定めておきましょう。商談への貢献率を振り返ることで、どのようなリソース配分をすれば良いかが明確になります。

受注金額

インサイドセールスが商談へ貢献した率だけではなく、受注金額もKPI項目に設定しましょう。どれだけの受注金額にインサイドセールスが貢献しているかを把握しておけば、充当すべきリソースが明確に分かるようになります。

補足:分業化する場合のKPI設定方法
インサイドセールス部門を立ち上げる際に、BDRとSDRで分業化することもあるでしょう。そのため、分業化する場合のKPI設定方法も覚えておきましょう。

SDRBDR
・リード数
・リードのフォロー完了率
・各リードの商談獲得率
・架電数
・メール送信数
・架電とメールの合計アクション数
・商談獲得件数
・商談獲得金額
・有効商談数
・受注件数
・受注金額
・営業リスト件数
・アプローチ完了率
・リード数
・C×Oレターの送付
・架電数
・メール送信数
・商談獲得件数
・商談獲得金額
・有効商談数
・受注件数

さらには、それぞれのステップに遷移する際の移行率である、
「コール対通電率」「通電数対コネクト率」「コネクト対アポ率」などを設定すると良いでしょう。

*インサイドセールスにおけるBDR(Business Development Representative)とSDR(Sales Development Representative)の違いとは?
どちらも内勤で行う営業活動ですが、その役割とターゲット層には明確な違いがあります。SDRは、効率的に多くのリードを処理し、商談機会を創出することに重点を置く一方、BDRは、より戦略的なアプローチで、大規模な商談機会を創出することに重点を置きます。両者はそれぞれ異なる役割を担い、企業の営業活動において重要な役割を果たします。

コール対通電率

架電した件数のうち、受付担当が電話に出た割合

  • 通電対コネクト率
  • 受付担当が電話に出た件数のうち、ターゲットとすべき担当者が電話に出た割合

コネクト対アポ率

ターゲットとすべき担当者が電話に出た件数のうち、アポイントを取得した件数

ただし、架電や行動量にまつわる上記移行率はあくまでもインサイドセールスのヘルススコアとして参考にするのがよいです。通電率・コネクト率が低い場合は、そもそも電話番号がない等データに不備、もしくは更新されていないケースが考えられますので、何らかの対策が必要になります。

インサイドセールスのKPIを設定する際のポイント

KPIを設定する際にはポイントがあるので理解をしておきましょう。ここでは、インサイドセールスのKPIを設定する際のポイントについて解説します。

チーム全体と個人のKPIを設定する

インサイドセールスのKPIは、チーム全体での数値と個人の数値を設定する必要があります。さらに、個人の成果が確認できるようなデータ構造にすることが大切です。個人の数値を定めることで、人事評価が明瞭になり、各自のモチベーションアップが見込めます。そのため、チーム全体と個人のKPIを設定しましょう。

前後の部門と連携したKPIを設定する

インサイドセールスの役割は、見込顧客を育成して商談化させることです。また、マーケティング部門や営業部門と連携して売上アップを目指すことです。このような、分業化させる営業体制はセールスフォース・ドットコム社が提唱する「The Model」の概念を参考にして整えます。各部門のKPIの繋がりがなくなると目指す方向性にズレが生じてしまいます。そのため、前後の部門で連携したKPIを設定するようにしましょう。

マーケティング部門来訪者数×獲得率=見込顧客数
インサイドセールス部門見込顧客数×商談化率=商談数
営業部門商談数×受注率=受注数
カスタマーサクセス受注数×更新率=継続数

他社のKPI設定の事例を参考にする

他社のKPI設定を参考にする方法は、有効な手段です。しかし、各企業でビジネスモデルや規模、営業プロセス、商材は異なります。他社事例を参考にして、インサイドセールスKPIを設定すると、自社の目標値と乖離してしまうかもしれません。

従って、他社のKPI設定を参考にする場合は、自社と規模や商材が類似していて、成果を出している成功事例を参考にしましょう。

定期的に見直す

KPI設定をしてからしばらくしても目標と実績が大幅に乖離している場合、まずはKPI改善のアクションを行いましょう。

KPIを見直す際には、いくつかの重要なポイントがあります。まず、達成率が低いKPIを分析し、その原因を特定することが重要です。目標値が高すぎる、営業プロセスに問題があるなど、原因を特定することで、適切な改善策を検討することができます。

次に、営業プロセスにおけるボトルネックを特定し、改善策を検討することも効果的です。リードの質が低い、営業スクリプトが効果的でないなど、ボトルネックを特定することで、効率的な営業活動を行うことができます。

さらに、データ分析を活用して営業プロセスを可視化し、客観的なデータに基づいて改善策を検討することも重要です。
具体的な改善施策としては、リード獲得の質を向上させるためのマーケティング部門との連携、営業スクリプトの最適化、フォローアップの強化、営業トレーニングの実施などが挙げられます。

これらの改善策を実行することで、インサイドセールス活動の成果を最大化することができるはずです。

まとめ

今回は、インサイドセールスでKPIを設定する方法をご紹介しました。最後に、おさらいをしておきましょう。

【下準備】

  • 有効リードの定義を決める
  • 商談化の定義を決める
  • 失注の定義を決める

【KPI設定の項目】

  • アクション数
  • コネクト数
  • 商談化件数
  • 商談化への貢献率
  • 受注金額

【KPI設定のポイント】

  • チーム全体と個人のKPIを設定する
  • 前後の部門と連携したKPIを設定する
  • 他社のKPI設定を参考にする
  • 定期的に見直す

いかがでしたでしょうか?ぜひ、本記事を参考にしてインサイドセールス部門のKPIを設定してみてください。

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