【奨励金あり】カスハラの4つの影響|企業が始めやすい取り組みを紹介

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目次
企業に重大なリスクをもたらすカスタマー・ハラスメント(カスハラ)はさまざまな業界で深刻な問題となっています。カスハラを放置すると従業員の離職や企業の評判の低下につながり、企業が大きな損失を被るためです。
このようなカスハラの深刻化を受けて、東京都は「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」を定め、カスタマーハラスメント防止対策推進事業を開始しました。
本記事では、カスハラが企業にもたらす悪影響に触れたうえで、東京都の取り組みを参考に企業が取り入れやすいカスハラ対策を紹介します。対策のなかには企業向け奨励金の受給につながるものもあるため、最後まで読んでみてください。
カスタマーハラスメントの悪影響

厚生労働省は、カスハラを次のように定義しています。
「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの」
出典:「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」(厚生労働省)
つまり、カスハラとは、顧客などが通常のクレームの範囲を超えて不合理で過剰な要求をする行為です。前述の定義における「要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なもの」は、さまざまな観点から判断されます。
例えば、次のような行為は社会通念上不相当と判断される可能性が高いでしょう。
- 応対した従業員に対して暴力を振るったり、暴言を吐いたりする
- 従業員を威嚇および脅迫する
- 従業員を長時間拘束する
- 理不尽な要求を何度も繰り返し行う
- インターネットやSNSに企業や従業員の名誉を毀損する情報を掲載する
以下では、このようなカスハラが企業および従業員に与える4つの悪影響について解説します。
従業員の休職および離職
カスハラの1つ目の悪影響に、従業員の休職および離職があります。
前述の通り、カスハラの定義には「当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの」という文言が含まれています。そして、暴力や暴言、威嚇、脅迫、長時間の拘束、理不尽な要求の繰り返し、名誉毀損などのカスハラを受けた従業員は大変なストレスを感じるはずです。
このような状況が続くと、カスハラの被害を受けた従業員が休職したり、離職したりする可能性が高まります。カスハラのターゲットとなっていない従業員のなかで自社への不信感が増すケースもあるかもしれません。
従業員の入れ替わりが激しくなると社内にナレッジが溜まりにくくなります。また、新規採用に時間と費用がかかり、企業の財務も圧迫されるでしょう。このようにカスハラは従業員の休職および離職につながり、企業に大きな負担を強いる行為です。
生産性の低下
カスハラの2つ目の悪影響として、生産性の低下が挙げられます。
例えば、不当な要求を繰り返す顧客が従業員を何時間も拘束した場合、その従業員が本来対応すべき業務が滞ります。また、カスハラは従業員に大きなストレスを与えるため、本来の業務に戻ったとしても生産性は低下してしまうでしょう。
その結果、組織やチームの生産性が低下し、部内の目標が達成できなかったり、他のチームに負担をかけたりするのです。生産性の低下は必ずしも目に見えるものではないため、カスハラへの対策が不十分な場合は注意が必要です。
従業員に対する安全配慮義務違反
カスハラの3つ目の悪影響は、従業員に対する安全配慮義務違反です。
安全配慮義務は企業や組織に課されるものであり、労働契約法では「労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をする」義務として定義されています。
この義務には、カスハラに遭遇した従業員を守ることも含まれています。つまり、カスハラを放置したり、十分な対策を取らずにいたりすることで安全配慮義務に違反する可能性があるのです。
安全配慮義務違反があると、従業員から損害賠償を請求される可能性があります。このようにカスハラは企業に直接的な損害を発生させる行為です。
イメージダウンおよび業績悪化のリスク
カスハラの4つ目の悪影響として、企業やブランドのイメージダウンおよび業績悪化のリスクがあります。
前述した通り、カスハラに該当する行為には、インターネットやSNSに企業や従業員の名誉を毀損する情報を掲載する行為も含まれています。たとえ嘘の情報や悪評であっても、インターネットを通じて拡散されることで企業やブランドのイメージに大きな影響を与えます。
その結果、他の顧客や取引先、従業員が企業から離れていくリスクがあります。そして、それらのステークホルダーの離脱が企業の業績悪化につながるという悪循環が生まれるのです。
ここまで紹介した通り、カスハラは企業に重大な悪影響を与える可能性があります。企業はカスハラを放置せず、効果的な取り組みを迅速に実施すべきでしょう。
企業に求められるカスハラ防止対策

昨今のカスハラの深刻化を受けて、東京都は「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例(カスハラ防止条例)」を定め、2025年4月1日から施行を開始しました。
以下では、東京都が進めるカスハラ対策を紹介します。企業向けの奨励金に関する取り組みもあるため、社内でカスハラ対策を整備する際の参考にしてください。
東京都「カスタマー・ハラスメント防止条例」
カスハラ防止条例は「何人も、あらゆる場において、カスタマー・ハラスメントを行ってはならない。」とし、顧客等および就業者、事業者に対して次の責務を定めています。
■顧客等
- カスハラへの関心と理解を深め、就業者に対する言動に注意を払うこと
- カスハラ防止施策への協力
■就業者
- カスハラへの関心と理解を深め、防止のための行動に努めること
- 事業者が実施するカスハラ防止施策への協力
■事業者
- カスハラ防止に主体的かつ積極的に取り組み、都の防止施策に協力すること
- 就業者がカスハラを受けた場合、就業者の安全を確保し、カスハラを行った顧客に対し、中止の申し入れなどの必要な措置を講ずること
- 就業者が顧客等としてカスハラを行わないように必要な措置を講ずること
これらは罰則のない努力義務ですが、今後、事業者がカスハラ対策を進めるうえで一つの指針となるでしょう。
カスタマーハラスメント防止対策推進事業
カスハラ防止条例の施行にあわせて、東京都は「カスタマーハラスメント防止対策推進事業」を開始しました。同事業には49億円の予算が割り当てられており、次の5つの取り組みが進められていく予定です。
- 企業向け奨励金
- 団体向け奨励金
- 普及啓発
- 相談窓口
- 団体向けセミナー・コンサル

出典:東京都「令和7年度(2025年度) 東京都予算案の概要」64ページ
2025年6月6日から相談窓口の運営が開始されており、カスハラ防止対策の一層の推進が期待されます。また、奨励金に関する取り組みは事業者を直接支援するものです。
企業向け奨励金の支給要件
企業向けの奨励金は、条例による取り組みに加え、実践的なカスハラ防止対策を行った企業等に支給されるもので、都内中小企業等(従業員規模300人以下)が対象となっています。
支給金額は40万円で、3年間で10,000社に支給される予定です。支給の対象となるためには、カスハラ防止対策に関する手引きを提出したうえで、次のうち1つの取り組みを実施する必要があります。
- 録音・録画環境の整備
- AIを活用したシステム等の導入
- 外部人材の活用
これからカスハラ対策に着手する企業は、上記3つから自社に合った取り組みを選択するとよいでしょう。
企業向け奨励金の申請方法
企業向け奨励金の第1回申請受付期間は2025年6月30日から同年8月8日17時までとなっています。申請手続きは次の流れで行います。
- 支給申請書類の作成
- 申請(GビズIDの事前取得が必要)
- 審査
- 決定通知
- 奨励金請求兼口座振替依頼提出
- 奨励金の振込
申請から決定までの期間は3カ月程度とされていますが、申請の状況により前後する可能性があります。申請は東京都のサイトからできますが、申請時に奨励対象事業者の要件をすべて満たしている必要があるため注意が必要です。
録音・録画環境の整備およびAIを活用したシステムの導入なら「MiiTel」
前述の通り、企業向け奨励金を得るためには「録音・録画環境の整備」「AIを活用したシステム等の導入」「外部人材の活用」のうち1つの取り組みを実施しなければなりません。
以下では、「録音・録画環境の整備」「AIを活用したシステム等の導入」に合致し、かつコールセンター業務や対面営業などの効率化につながるMiiTelの2つのサービスを紹介します。
MiiTel Call Center
MiiTel Call Centerは、文字通りコールセンター向けのIP電話サービスです。「会話コーチング機能」「文字起こし要約機能」「感情分析」をはじめとするMiiTelの11の機能に加えて、「リアルタイムFAQ」「シートマップ」「稼働状況モニタリング」などの12のコールセンター機能を実装しています。
MiiTel Call Centerの導入により、次の機能を用いて企業向け奨励金を得るために必要な取り組みを実施することができます。
- 顧客とのやりとりを自動録音(「録音・録画環境の整備」に対応)
- クレーム発生時にアラートを実施(「AIを活用したシステム等の導入」に対応)
他社のPBX(Private Branch Exchange:電話交換機)との連携も可能なため、従来のシステムを活用しながらカスハラ対策を推進でき、業務効率化にもつながります。
MiiTel Call Centerの詳細や導入事例は以下のページで紹介しているので確認してみてください。
MiiTel RecPod
MiiTel RecPodは、対面(オフライン)でなされる顧客とのやりとりを録音し、AIによる文字起こしや議事録生成、話し方解析、履歴の共有ができるサービスです。
そのため不動産会社やカーディーラーでの店舗営業、金融会社による対面業務、携帯ショップの窓口対応業務などにおいて、次の機能を用いて企業向け奨励金を得るために必要な取り組みを実施することができます。
- 顧客とのやりとりを自動録音(「録音・録画環境の整備」に対応)
- クレーム発生時にアラートを実施(「AIを活用したシステム等の導入」に対応)
また、カスハラ対策のみならず、対面コミュニケーションの課題として挙げられる「ブラックボックス化の解消」「後処理業務の効率化」も支援するサービスです。
MiiTel RecPodの詳細や対面コミュニケーションの課題を解消する仕組みは以下のページで紹介しているので確認してみてください。
企業と従業員を守る|自社に合ったカスハラ対策を開始しよう

カスハラは従業員の休職および離職、生産性の低下、安全配慮義務違反のリスク、イメージダウンおよび業績悪化につながります。カスハラの深刻化を受けて、東京都は「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」を定め、カスタマーハラスメント防止対策推進事業を開始しました。
同事業のなかに企業向け奨励金があり、カスハラ防止対策に関する手引きを提出したうえで、「録音・録画環境の整備」「AIを活用したシステム等の導入」「外部人材の活用」のうち1つの取り組みを実施した企業は40万円の奨励金を受給できます。
カスハラによる被害は対面のみならず、電話による顧客とのやりとりからも発生します。そのため自社のビジネスモデルに合わせて、対面もしくは電話でのカスハラに対処する取り組みを開始しましょう。
コールセンター向けIP電話サービス「MiiTel Call Center」と、対面業務向け会話解析システム「MiiTel RecPod」は、企業向け奨励金の要件を満たしつつ、業務効率化を実現するサービスです。MiiTelの2つのサービスの詳細をぜひ資料で確認してみてください。