サイト内検索

よく検索されるページ

利用サービス:
MiiTel Phone

成約率130%に! クレディセゾンは何をした? インサイドセールスを超効率化した改革の詳細

成約率130%に! クレディセゾンは何をした? インサイドセールスを超効率化した改革の詳細
撮影: 大参 久人
本記事は2023年3月にビジネス+ITへ掲載された記事です。
https://www.sbbit.jp/article/sp/107826?previewpass=mklgqf2m1lyu
社名
株式会社クレディセゾン
業種
金融・保険
従業員数
1001-5000名
活用用途
その他
対象
toB

「セゾンカード」でおなじみのクレディセゾンは、2021年9月に「CSDX戦略」を策定し、社を挙げてDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に取り組んでいる。そんな同社がコロナ禍でビジネスをとりまく環境が変容する中で改革を進めた営業DXが、いま大きな成果として結実しつつあるという。法人向けビジネス商材の成約率が130%以上になった同社の営業DXのアプローチについて紹介する。

ビジネス環境の変化、1人あたり1000社超を担当…
急務だった「営業DX」

コロナ禍は企業に大きな影響をもたらした。クレディセゾンも影響を受けた企業の1つだ。リモート中心のビジネスに切り替わったことで、出張で使うコーポレートカードの需要は激減した。当時、法人営業を取りまとめていた営業企画部では、コロナ禍に対応した営業スタイルへの移行を急務とし、属人的な営業からの脱却を目指した「営業DX」に取り組み始めた。

「情報過多と言われる昨今、コロナ含めB2Bの営業環境も大きく変化しています。デジタルシフトによりデジタル上の顧客滞在時間が増加し、営業担当者が接触する前の『顧客による評価・調査』のプロセスの重要度が増加しました。つまり、営業担当者が接触する前に情報収集、意思決定が完結している状況が出来つつあるのです。そこで激減したT&E領域だけではなく、お客さまの状況に合わせたカード以外の金融商材含む適切なデジタルアプローチを実現するためにB2B領域での営業DXに着手しました」と当時を振り返るのは、ビジネスソリューション部 課長の山戸大輔氏だ。

同社の法人営業は約45万社の顧客やアライアンス先があり、インサイドセールス、カスタマーサポートなどの分業体制は整えているが、1企業に対して案件の創出から提案・成約・メンテナンスまでを1人のインサイドセールスが対応している。エリアにもよるが、1人1000社以上を担当することもあり、案件を作り出す最初の入り口となるインサイドセールスは特に業務効率化が求められていた。さらに、同社はジョブローテーションが活発で、新たに配属されたメンバーが即戦力として参画できるような体制を整備していく必要もあった。

山戸:
「2021年にビジネスソリューション部内に創設されたB2Bセールスグループは、法人向けのカードサービスやソリューションを取り扱っているため、Webや電話といったインサイドセールスだけで商談を完結できることが特徴です。新しい組織であるため、必ず結果を出さなければならないという思いが強くありました。そのためにはデジタル化による効率化と、メンバー1人ひとりのスキルアップが重要と考えました」

AIを活用した電話の可視化が人材育成に効くと判断したワケ

そこで白羽の矢が立った解決策が、RevCommが提供するビジネス向けクラウドIP電話「MiiTel(ミーテル)」の導入であった。

MiiTelは、音声解析のAIを搭載しており、電話営業や顧客応対を可視化するIP電話サービスとして、さまざまな業種・業態の1650社で導入されており、ユーザーは4万4000人、通話実績も1億5100万回を上る実績を誇る。

ソリューション選定にあたっては、電話営業の効率化という条件も考慮に入れつつ、最終的にチームメンバーの教育強化を重視し、数社の中からMiiTelを選択したという。ビジネスソリューション部は主にマーケティング、インサイドセールス、カスタマーサポートの部隊で構成されるが、とりわけインサイドセールスが電話を中心に展開していたため、MiiTelの機能がマッチしたという。

山戸:
「営業DXは急務だったので、迅速に導入を進めるためにクラウドサービスであることが大前提でした。ただし我々は金融企業なので、個人情報の扱いが厳しく、そのハードルをクリアしなければなりませんでした。また、CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)、MA(マーケティングオートメーション)も導入していますが、将来的にシームレスな顧客体験を実現するために、SalesforceやSlackなどとの連携ができる汎用(はんよう)性の高いツールを選びたいと考えていました。そして何より、人材育成の観点を重要視していました。それらの要件にかなったのが、MiiTelでした」

クレディセゾン
セゾンAMEX企画部 課長 兼 ビジネスソリューション部 課長 兼 信用企画部 課長
山戸大輔氏

MiiTelは、顧客と担当者のやり取りを可視化することで、高品質で生産性の高い電話応対を実現できるツールだ。実際に顧客との会話を録音して、後から人やチーム単位でアーカイブを確認でき、トップセールスのアプローチを自分の営業方法と比較・検討することで、細かいニュアンスなどを改善できるのだ。

MiiTelの主な機能。通話音声分析、外部連携や管理の機能、コールセンター機能などを備える。応対のセルフコーチングやアフターコールワークの削減などに寄与する。

AIを活用した電話の可視化が人材育成に効くと判断したワケ

ソリューションの選定が終わると、クラウドサービスであるMiiTelの導入はスムーズに進んだという。2020年12月には契約が済み、1週間後には利用できる状況になった。そして社員に配布する端末の準備や社内体制の整備が整った翌年3月に実運用が開始された。MiiTel導入による効果はすぐに表れたという。

セゾンAMEX事業部 ビジネスソリューション部で、東日本地域の営業を担当する田所優花氏は、電話の苦手意識を払拭(ふっしょく)できた経験について次のように語る。

田所:「架電リストからお客さまに営業をしたり、問い合わせ応対後に会話を確認したりするためにMiiTelを活用しています。電話営業自体が初めてだったので、配属当初は何をどのように話せば良いのか悩むことが多かったのですが、先輩方の成約例の履歴をMiiTelで確認することで、アプローチのきっかけをつかめるようになりました」

クレディセゾン
セゾンAMEX事業部 ビジネスソリューション部 B2Bセールスグループ
田所優花氏

MiiTelのメモ機能も大いに重宝しているそうだ。顧客との各通話にメモを付け、通話内容を容易に振り返られる点は非常に便利だという。さらに、メモの種別にルールを設定することで、会話の振り返りや分析が容易になり、それを共有して役立てることも可能だ。

MiiTelをはじめとする同部門の営業DX施策は、クレディセゾンの組織図にも変化をもたらした。2022年10月、山戸氏が率いる同部門の成果が評価され、西日本地域に新たなチームが設置された。

そのチームで西日本地域でのB2Bセールスを担当する加藤さくら氏は、「10月にチームが立ち上がり、12月からMiiTelを活用し始めたので使用歴は浅いですが」と前置きしたうえで、MiiTelによる効果を次のように語る。

加藤:「西日本地域のB2Bセールスのメンバーは、もともと全員がフィールドセールスを担当していたので、電話営業によるインサイドセールスは初めてのことでした。ですが、MiiTelで東日本の成功事例を共有してもらえたので、良いスタートを切ることができました。また、MiiTelによって自分やチームの成果が可視化されるので、モチベーション向上にもつながっています」

クレディセゾン
セゾンAMEX事業部 ビジネスソリューション部 B2Bセールスグループ
加藤さくら氏

スコアリング結果では、顧客とのトーク比率や問いかけがあるほど、相手の話をうまく引き出せており、案件の成約率も高くなることが見て取れるという。こういった模範となる会話を聞くことで、自分のスキルを磨けるわけだ。実際に、MiiTel導入によって教育コストは約40%削減できたそうだ。

山戸:「以前は、メンバーを集めて、営業時の話し方や提案方法などをレクチャーするミーティングを毎週開催していましたが、MiiTelによって自己学習ができるようになり、人材育成の工数が圧倒的に減りました。また、コロナ前と比較すると、B2Bセールスグループにおける全体の成約率は130%以上も伸びています」

他ツールとの連携によって相乗効果を狙う

今後の展開としては、ビジネスソリューション部で利用しているSFAなどの各種デジタルツールをMiiTelと連携させ、相乗効果を狙うという。たとえば、現時点でもCRMやMAとの連携によって、顧客の応対状況を一元的に把握することで、マネジメント工数を削減できるようになっている。

MiiTelと代表的なCRM/SFA/MAとの自動連携機能

山戸氏は「現在、東日本と西日本で個別にMiiTelを導入しているため、両拠点を統一して展開できるような情報共有体制に移行することも視野に入れ、全国展開を図っていきたい」と抱負を語る。
AI活用による電話営業や顧客対応の改革は、これからもチーム全体の営業スキルの底上げをもたらしていくだろう。営業の効率化はもちろん、人材育成の観点からも、ますますMiiTelのようなツールによる「営業の可視化」が重要になるだろう。それが個々のメンバーのスキルとモチベーションアップとなり、より適切な顧客アプローチにつながっていくはずだ。

社名
株式会社クレディセゾン
業種
金融・保険
従業員数
1001-5000名
活用用途
その他
対象
toB

トーク解析AIMiiTel搭載のサービス