なぜ、生産性向上の取り組みは長続きしないのか?

最近、働き方改革や、生産性向上が叫ばれていますが、そもそも何のために生産性を向上させるのかについて考えたいと思います。

チーム会議を減らす、報告書を減らす、権限移譲を進めて承認プロセスを短くする…etc
生産性を高める施策は沢山ありますが、いつの間にか立ち消えて企画倒れに終わることが往々にして起こります。

実際に前職でも起きていましたし、他社事例を聞いても多くの企業で生産性向上が叫ばれるものの企画倒れに終わっているケースが散見されます。

生産性を上げた方が良いのは間違いないのに、なぜ実行されないのでしょうか?

筆者は、前職で若手タスクフォースというものを起ち上げて生産性向上、新規ビジネス創出など多くの施策を実行しましたが、ヒントは「目的意識」にあると思います。

なぜ、生産性を上げる必要があるのか?
良く聞く答えは「会社の売上を増やすため」、「チームのパフォーマンスを上げるため」など、主体が組織や他人になっている答えです。

主体が自分自身でないと自分事(じぶんごと)として考えられず、「みんなが意識すればなんとかなる」と考え、他力本願になってしまいます。
そうすると、誰も主体的に取り組まないため、結局、企画倒れで終わってしまうのです。

従って、生産性を向上させるためには、一人一人が自分事として考えて、なぜ生産性を向上させたいのか個人の目的意識を持つ必要があります。

ちなみに、「個人の」目的なので全員で合わせる必要はなく十人十色で構いません。
「どのように」生産性を向上させるかの各施策は全員で共有する必要ありますが、「なぜ」生産性を向上させたいのか個々人で目的は違っても問題ありません。

 

例えば、Sales Hackerはなぜ営業生産性を向上させるために情報発信をするのかご説明すると、「生産性や合理性を追求した結果として、”本当の意味でのコミュニケーション”を増やしたいから」です。

Sales Hackerのフィロソフィーは以下の通り、「”本当の意味でのコミュニケーション”が行き交う豊かな社会」を実現することです。

~ Philosophy ~

少しでも多くの「本当の意味でのコミュニケーション」が行き交う豊かな社会。
それが、私たちの創りたい世界観です。
ヒトとヒト、ヒトと社会、企業と社会、言語と非言語、世の中には様々な形のコミュニケーションがあります。ただ単純に物事を伝えるだけでなく、人々の感動を呼び起こしたり、情動を揺さぶったり、感性に訴えかけるコミュニケーションが、「本当の意味でのコミュニケーション」だと私たちは定義しています。
営業活動を通して、誰かの悩みを解決する、世の中の仕組み創りをする、ヒトとヒトの架け橋となって新たな価値を創造する。
ただモノやサービスを売るだけでなく、他者との関係性のなかで新たな価値を創造していく営業。そんな営業を実現することで、少しでも多くの「本当の意味でのコミュニケーション」が行き交う豊かな社会を築く一助になれたら幸いです。

~ Philosophy ~

なぜ、”本当の意味でのコミュニケーション”を増やために、生産性や合理性を追求する必要があるのか?筆者の趣味である茶道を例に説明したいと思います。

筆者は、茶道を通して、たった一杯のお茶で「人が感動する」ことを知っています。
お茶に口を付けるまで言語的なコミュニケーションはほぼありませんが、なぜ人々はたった一杯のお茶で感動するのか?

それは、主人(おもてなす側)が一杯のお茶を点てるまでに多大な時間と労力をかけるからです。

床の間に飾る掛け軸や生け花、お抹茶のお詰め(お茶葉の製造元)やお茶菓子のご製(お茶菓子の製造元)、お点前するお茶器などなど、二十四節気に鑑みながらお客様をおもてなすために、ありとあらゆる準備をします。

そして当日、打ち水をしてからお客様をお迎えし、お客様のことを想いながら丹精込めて丁寧に、15~20分ほどかけてお客様の目の前で一杯のお茶を点てます。

その手間や労力、想いが一杯のお茶に表れる。これが人々の感性を揺さぶるのです。
人々の感性を揺さぶったり感動を呼ぶモノやコトには、多大な手間や労力や時間がかかっているのです。
壮大な人工物よりも、雄大な自然の方が多くの人々の感動を呼び起こすのと同じことだと思います。

他人のことを想いながら、手間や労力をかけるには「時間」が必要であり、時間を創るためには合理的で生産性の高い世の中にする必要があります。
従って、Sales Hackerは、営業生産性を追求するのです。

生産性を上げる手段はさまざまな方法がありますが、Sales Hackerの目的意識ははっきりとしているので、常に何が有効か考えて継続的に情報発信することができるのです。

話が大きくなってしまいましたが、皆さんも是非「個人の目的意識」を持って、生産性向上に取り組んでみて下さい!

ひとりひとりが、自分事として考えて「目的意識」を持てば、必ず継続的に実行できるようになります。