連続インタビューVol.2 ビズリーチ・茂野氏「ビズリーチがインサイドセールスに注力する理由」

みなさん、こんにちは。
株式会社ビズリーチ インサイドセールス部 部長 茂野 明彦氏へのロングインタビュー、第2回です。

第1回は「営業に目覚めた瞬間」、「インサイドセールスが企業の成長に欠かせない理由」、「インサイドセールスの面白さ」などについてお話していただきました。

今回は「ビズリーチ入社に至った経緯」や「ビズリーチがインサイドセールスに注力する理由」、そして「リード数×コンバージョン率×人員計画という方程式の最適解」についてお話を伺ってまいります。




株式会社ビズリーチ
キャリアカンパニービジネスマーケティング本部 インサイドセールス部 部長
茂野 明彦氏 / Akihiko Shigeno
大手インテリアメーカーを経て、人材系ベンチャー企業に転職。5年間大手通信会社に出向後、自社に戻り研修事業を立ち上げる。2012年8月、株式会社セールスフォース・ドットコムに入社し、グローバルで初のインサイドセールス企画トレーニング部門立ち上げに携わる。2016年12月、ビズリーチ入社。現在は、インサイドセールスグループとマーケティンググループを統括する。
※所属・役職等は取材時のものです。

 

ビズリーチ入社の経緯

——ビズリーチご入社の経緯は、経営陣からのスカウトだったとお聞きしましたが、入社前後に言われたことで印象的だった言葉はありますか?

茂野
「これからのビズリーチにはインサイドセールスをはじめとしたB2Bマーケティングが必要不可欠です。一緒にやりませんか?」とストレートに言ってもらったことを記憶しています。また、長期間に亘って声をかけてもらったことで「いっしょにやってみたい!」と思うようになりました。

——ダイレクト・リクルーティングを実践しているビズリーチさんらしい話ですね。

ビズリーチがインサイドセールスに注力する理由

——ビズリーチさんがインサイドセールスを始めたキッカケを教えてください。

茂野
すごくシンプルです。ベンチマークしている海外の会社が、インサイドセールスを上手く活用し、急成長していたからです。

実は入社前、ビズリーチのインサイドセールスチーム起ち上げを少し支援していたのですが、あまりうまく立ち上がっていませんでした。理由はいくつかありますが、一つはインサイドセールスの部署に、他部署と対等に交渉でき、かつ司令塔的役割を果たせるシニアなメンバーが不足していたことが挙げられます。

これはインサイドセールスの組織作りで一番やってはいけないことですね。
前回サッカーに例えて、インサイドセールスは司令塔的な役割を果たすミッドフィルダーと申し上げましたが、プレイヤーのアサインだけではなく、そこに明確な経営の意思が必要です。インサイドセールスを重要なポジションと捉え、そこに経営資源を投入するという意思決定が。

——いまビズリーチさんはインサイドセールスに注力されていますが、それはなぜですか?

茂野
前回申し上げた「セールス組織全体にとっていい」ということもありますが、ほかにインサイドセールスという仕事はメンバーの成長速度を高めるインキュベーション・センターであると考えているからです。

短い期間で多くのお客様と対話し、幅広い顧客ニーズを知ることができます。
インサイドセールスを経てフィールドセールスになった人と、いきなりフィールドセールスに配属された人では、初年度の売上達成率に明確な差があり、インサイドセールスを経た方が営業成績が高いというデータもあります。

そのためビズリーチでは、インサイドセールスチームは人材育成の役割も担っており、インサイドセールスチームで様々な業界の顧客に関する知識を身につけた人材が、他部署に異動し活躍しています。

リード数×コンバージョン率×人員計画という方程式の最適解を見つける

——茂野さんは入社されてから、どのようなことに取り組んでこられましたか?

茂野

最初に、セールスのパイプライン管理方法を変えました。

入社後、フィールドセールスやインサイドセールスのメンバーに話を聞いてみたところ、フィールドセールスからは「インサイドセールスから渡される商談は良い商談ではない」、インサイドセールスからは「良い商談機会を提供しているが、フィールドセールスが成約につなげてくれない」という声が多かったのを覚えています。

このように、商談すべき案件の基準について、お互いの認識があっていなかったので、まずはすり合わせをしなければと考えました。

そこで、4段階だったパイプライン評価を8段階(以下ご参照)に変えて、「いま商談すべき案件なのか」を明確に判別できるようにしました。

 

8段階のパイプライン評価

次にしたことは、コンバージョン率が最適となる人員計画の策定です。

過去の実績を見ると、多くのご契約をいただけている月は一定数のリード量を確保できていることが分かったのですが、インサイドセールス1人あたりのリード数が跳ね上がった時はコンバージョン率が下がっていました。当然のデータではあるのですが。

インサイドセールスがパフォーマンスできるリード数には限界があります。業態業種によって数字の違いはありますが、リード数×コンバージョン率×人員計画という方程式の最適解を見つけるために、地道にデータドリブンで紐解いていました。

ですから会社に対して、「いまのリードが定常的に入ってくるんだったら、これくらい人数増やせば、商談がこれくらい増える」ということを提示して採用計画を立てていきました。

——パイプライン評価の変更はどのくらいの期間で変えたのですか?

茂野

起案してから1ヶ月半くらいだったと思います。こういう仕事はスピードが重要だと考えているため、「変えます!」と宣言して、一気に進めてしまいました。

部長陣や企画系職種、一部アシスタントなど抑えなければいけない人だけは抑えてプロジェクトを進めたつもりでしたが、実際やってみると非常に大変だったことを覚えています(笑)

「レポート条件が全部変わったんですけど」などの問い合わせに追われて、1ヶ月くらいずっと謝っていました(笑)

 

次回予告

さて、まだまだお話は続きますが、第2回はここまでとさせて頂きます。
次回は「インサイドセールスチームの組織や採用」について公開予定ですのでお楽しみに!


株式会社ビズリーチについて

「インターネットの力で、世の中の選択肢と可能性を広げていく」をミッションとし、2009年4月より、人材領域を中心としたインターネットサービスを運営するHRテック・ベンチャー。東京本社のほか、大阪、名古屋、福岡、シンガポールに拠点を持ち、従業員数は1,238名(2018年6月現在)。即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」や、挑戦する20代の転職サイト「キャリトレ」、AI技術を活用した戦略人事クラウド「HRMOS(ハーモス)」、求人検索エンジン「スタンバイ」、事業承継M&Aプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」などを展開。
参照URL:https://www.bizreach.co.jp/