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アウトバウンド型BPO企業が直面する三大課題と解決法

2022年06月14日

アウトバウンド型BPO企業が直面する三大課題と解決法
2022年3月10日に弊社にて開催したBPOセミナー「アウトバウンド型BPO企業が直面する三大課題と解決法」の内容を要約しました。よくあるBPOプロジェクト/チームが直面する課題を深堀りし、課題に対する解決策をわかりやすく解説いたします。

三大課題とは?

①優秀なマネージャーへの業務負荷の偏り

現在、コロナ禍における業務のリモート化への対応で、オペレーションが非効率化してきています。さらに、優秀なマネージャーへ業務負荷がかかってしまうことによる弊害が生じてきています。

②リモート前提での教育制度の見直し

従前から行っていたロープレ研修ができないことにより、教育のオンライン化を導入する企業が増えました。しかし、期待していた程の効果が見られず、どのように見直したらよいかわからない状況となっています。

③コンペで勝つための競合との差別化

BPOプレイヤーは年々増え、競争が激化してきています。さらに、顧客サイドではBPOから内製化したいニーズが顕在化してきています。 Y氏(※進行役):このような三大課題が挙げられますが、最近の情勢はいかがでしょうか?   I氏(※講師):そうですね。アウトバウンドのBPOは、業界自体の参入障壁が比較的低いという特徴があり、まさに今挙げていただいた三つの課題は常に発生するものだと思います。

三大課題の深掘り/解決策

①優秀なマネージャーへの業務負荷の偏り

よくあるBPOプロジェクトの例を挙げて深掘りしていきたいと思います。チームにおける負の連鎖は以下のようにして発生します。
  1. マネージャーのスキルにバラツキがある
  2. 優秀なマネージャーにプロジェクトが集まる
  3. 優秀なマネージャーの業務が過多になる
  4. 手が回らないプロジェクトから、契約終了・失注
Y氏:1つ目の「マネージャーのスキルにバラツキがある」ですが、こちらはどういったことでしょうか? I氏:マネージャーに求められるスキルは大きく4つ、「目標設定」「課題特定」「アクション把握」「モチベーション向上」があります。 目標設定は、しっかりとした納得感があり、その根拠を説明できることです。そして、多少背伸びをして達成できるぐらいの数値を設け、適切に進めることが大事です。 課題特定は、営業プロセスにおいて、受注を妨げるボトルネックへの対策をしっかり考えておくことです。あとは、メンバーに聞くべきことを徹底的に聞かせる、報告してもらう、同行や同席などをして、自ら受注確度向上に努めることです。 アクション把握は、結果の数字だけに着目するのではなく、途中のプロセスを明確にし、しっかり管理していくことが大事です。想定の数値に対して乖離がないかどうかのチェックや、問題が発生した場合にはすぐに対応する。そして、このKPIについてはリードタイム等々、さまざまな要因から逆算した数値を設定することが大事です。 モチベーション向上は、「成果が上がるからモチベーションが上がる」というサイクルをしっかり作ることです。そして、そこに意識を向けることが大切です。また、仕事に対する意欲や動機は一人ひとり異なるため、それぞれに合った対話を意識することも大事です。 Y氏:先ほど挙げていただいたマネージャーの4つのスキルは重要ではありますが、習得に時間がかかると思います。まず、短期的に成果が出る「業務の生産性」から解決していくのが良いと思います。 さらに昨今では、リモートワークをとられている企業が多く、リモートワーク下でのマネージャー業務は、より高負荷になっていると思います。 オンラインでのコミュニケーション、マネジメント、メンバーの活動量、架電内容のブラックボックス化、リモート環境でのメンバーのモチベーション管理が挙げられますが、どのような改善策がありますでしょうか? I氏:属人的なチーム運営には限界が訪れてしまうため、いかに生産性を担保できる仕組み作りができるかが、業績を大きく左右するものだと思っております。この仕組み作りについてですが、システムを導入することが重要だと思っています。 例えば、顧客管理ツールでは、これまでExcelやスプレッドシートで管理していたものを、SFAやCRMを導入することによって、情報の入力や閲覧共有の効率化、課題感を簡易的にレポーティングできたり、他のプロジェクトの数値を参照することができるといったメリットが得られます。 また、電話ツールに関しても、これまでの固定電話や会社対応のスマホなどから、録音解析がついている電話システムに変えることによって、オフィスでも、在宅と同じように稼働できたり、リモートでも活動量が把握しやすくなったり、自主学習などのメリットも得られると思ってます。 Y氏:そうですね。仕組み作りのためにシステムを導入することはメリットがありますよね。逆に、システム導入を先延ばしした時には大きなデメリットが生じます。 ①データをためるには時間がかかる システムを導入時に使えるデータが貯まっていないと効果を発揮することができません。目安として3ヶ月〜6ヶ月分のデータを貯める必要があります。 ②ITリテラシーが高い人材の確保が困難 ツールを使いこなせる人材を早期に確保できなくなり、結果的に競合優位性を失ってしまいます。 ③依頼主がツールを使っており、活用を求められる 依頼主が指定するツールで代行業務を求められるケースが増えています。しかしながら、当該ツールを利用した実績がなければ、信頼感を勝ち取ることが難しくなってしまいます。 こうした3点からもなるべく早めにシステムを導入し、業務改善をしたほうが良いです。

②リモート前提での教育制度の見直し

Y氏:リモートワーク対応に伴い、会議室での1on1によるロープレができなくなったり、隣りに座って電話の内容を聞けなくなったり、オンラインでのロープレをやるが、手ごたえを感じられなくなったり、教育がやりづらくなったと感じている方が多数いらっしゃるのではないでしょうか? リモート環境でも十分に教育ができるためのステップについて述べたいと思います。 【リモート環境でおススメの教育方法】
  1. データ・ファクトによる可視化
  2. ファクトベースのフィードバック
  3. セルフコーチング
まず、データ・ファクトによる可視化についてですが、基本的な可視化項目を定量と定性に分類し、可視化していきます。 定量面では、個人ごとの架電数やアポイント獲得数やプロジェクトごとの通電しやすい時間帯、保有リード数を測ります。一方の定性面では、実際の架電データからアポイントを獲得した電話や、逆に、アポイントを獲得できなかった架電内容を聞き、定性的に判断します。 続いて、ファクトベースのフィードバックになりますが、先ほど可視化したデータを基にフィードバックをしていきます。定量面で架電数が落ちている場合は、実際の数字をベースに指導することができます。また、定性面においては、例えば、話すスピードがいつもよりも速くなっているため、獲得率が下がっているのではないかということを具体的に伝えることができます。 ファクトを使わずにフィードバックをしてしまうと、フィードバックを受けた側の納得感がなく、具体的にどのように改善をしたら良いかが分からなくなってしまいます。こちらについては実際のところはどうなのでしょうか? I氏:そうですね。こういったメンバーに対するフィードバックを定型化できている企業は、意外と少ないという印象を持ってます。実態としてマネージャー次第ではないかと思います。優秀なマネージャーであれば、感覚ではなく、ファクトを用いて適切に導くことができるのではないかと思っています。その成功事例を社内に浸透させて、フィードバックの定型化に成功できると、事業運営が非常に安定してくると考えてます。 Y氏:最後に、セルフコーチングですが、セルフコーチングとは録音データを用いて、自分や他人の話し方を定量的に振り返り、自発的にスキルアップすることを指しています。 セルフコーチングの構築ステップは3点ありますが、重要な事は可視化できるか否かです。 つまり、自分自身や他のメンバーの会話内容の録音に対して、簡単に確認ができている状態、さらにその内容を定量的に振り返られるような状態ができることが大切です。 さて、昨今の情勢を考えたときに、リモートワークが前提の教育制度を構築したほうがよいのではないかと思われます。その理由として、大きなメリットが企業にもたらされるからです。1つ目のメリットは、雇用の幅が広がること。2つ目は社員のライフステージの変化に対応可能になることで、離職率を減らすことができること。3つ目は移動時間の削減により生産性が高まることがあります。ここについてはいかがでしょうか? I氏:直近では30代から40代の女性の活躍がめざましい印象を受けています。特に人材系の会社でバリバリ営業されていた方たちが、ライフイベントによって離職したものの、落ち着いてきた頃に、ワークライフバランスを担保しながら働きたいという需要が増えてきています。ここに雇用という供給を整えている企業が案件をしっかり獲得していると思ってます。

③コンペで勝つために競合との差別化

Y氏:価格の安さで勝負しないためには、以下2つの要素が必要となります。
  1. 全社でのメンバースキルを担保
  2. 自社独自のノウハウを作る
全社でメンバースキルを担保するためには、3つのステップが必要となります。 ①評価者の主観によるブレが発生しないように、評価基準を定量的に定めること。 ②評価基準の判断が曖昧・難しい点について、マネージャー間ですり合わせること。 ③どのマネージャーからでも同じ判断基準でのフィードバックを行うこと。 ここが重要になってきます。 続いて、自社独自のノウハウ作りですが、こちらは軸の選定が重要になってきます。例えば、成果軸を軸にした場合、目的はプロジェクトの成果にコミットすることになります。また一方で、満足度を軸にすると、結果だけではなく、プロジェクトのプロセスを重視する形になります。それぞれの注力すること、狙いやすい案件としては、上記の通りとなっています。この観点以外に何かありますでしょうか? I氏:そうですね。例えば、受注した案件において成果が上がっていない場合でも、延長や増員などアップセルができる可能性があります。背景としては、発注者側が内製化を視野に入れているということが非常に増えているので、業務委託としてPDCAをしっかり回して適切に報告していることが、信頼感を得られるため非常に大事だと思っております。

よくある質問

Y氏:お打ち合わせなどでよくご質問いただいている項目をピックアップしました。 優秀なマネージャーの特徴とは? I氏:各社で特徴は違うと思いますが、強いて2点だけ挙げさせていただきます。 1つ目がメンバーコーチングです。なぜ上手くいったのか、なぜ駄目だったのかを、ファクトベースでメンバーに深堀ることができる方が優秀だと思っています。 例えば、大概の答えはメンバー自身が持ってるケースが多いので、頭ごなしに伝えるのではなくて、答えを出せると信じて、しっかり向き合える方が、さまざまな案件で成果を出しているんじゃないでしょうか? 2つ目が気合や根性ではなくて、方法論や答えを導き出すための考え方をしっかり教えることが、非常に大事だと思います。 リモートワークを導入するにあたって懸念点はありますか? I氏:フルリモートやハイブリッドなど、幾つかのパターンがあると思いますが、やはり、意思疎通がしっかり取れる勤務環境を構築してあげることが大事だと思います。 その上で、企業としての方針を明確に打ち出して、変化を恐れず、常に良くしていこうとする姿勢を見せることで、安心感を醸成できると思っております。 他社との差別化において、最近のニーズを教えてください。 I氏:ツールの使いこなし具合は、よく話に出てくると思いますね。 いわゆる顧客仕様のツールもあれば、各種CRMですね。ダッシュボードを作成することはもちろん、どのツールを使えばいいか迷われている顧客に対して、「この状態だったら、このツールがいいと思いますよ」といったアドバイスができる企業は、信頼を勝ち取りやすい傾向にあると思います。 株式会社RevCommではセミナーを通して積極的に情報発信を行い、サービスの提供を通して皆様方の営業力強化に貢献できればと思います。 最新のセミナー情報はこちらになります。 https://miitel.revcomm.co.jp/seminar
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