アポ獲得・商談化率がUPする トークフローと応用ステップ
2022年02月04日
2021年6月23日に開催した弊社社員が実践するSDRセミナー「アポ獲得・商談化率がUPするトークフローと応用ステップ」の内容を要約しました。トークスクリプトを作成する際の参考にしてみてください。
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株式会社レブコム
インサイドセールス(SDR)担当
西牧直香氏
大学卒業後、レバレジーズ株式会社に新卒で入社。キャリアコンサルタントとして法人営業を中心に、新卒研修設計やチーム内研修制度の整備、イベント企画業務に従事。2020年7月、株式会社レブコムにジョイン。インサイドセールス(SDR)を担当。
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1.インサイドセールスの役割
インサイドセールスは大きく3つの役割に分類されます。
1つ目はSDR(sales development representative)。いわゆる反響型で、資料請求や問い合わせなどから流入したお客さまへアプローチをし、商談の機会を創出します。
2つ目がBDR(business development representative)。こちらはプッシュ型で、企業リストに対してアウトバウンドコールを行い、商談創出をします。エンタープライズ企業の開拓などでは手紙を用いることもあります。
3つ目がオンラインセールス。フィールドセールスと呼ばれることもあり、SDRやBDRが創出した商談をオンラインで対応し、契約締結まで担当します。
2.トークスクリプトの考え方
◉トークスクリプト作成での失敗例
よくある失敗例として、いきなり細かく作り始めてしまうことです。何度も修正が発生し、工数がかかってしまいます。
また、トークスクリプト活用者のスキルレベルやリード流入チャネルによってスクリプトは異なりますが、すべてまとめて汎用的なスクリプトを作成してしまうこともよく耳にします。
ほかにも、テキストのみでスクリプト作成を行うことです。架電相手のニーズや回答によってトークの流れは変動してくるため、テキストではなく構造としてのスクリプトの習得が必要です。
◉トークスクリプトの作成プロセス
4つのステップに分けて作成を行います。
(1) 話者決め
誰が使うのか、目的は何かを定めます。対象者と目的によりスクリプトを作り込むべき幅が大きく異なってきます。
採用が多く人の入れ替わりが激しい場合は、より丁寧な説明が求められます。成熟したメンバーが継続勤務している場合は、作り込む必要はほとんどありません。新人もしくは既存メンバーで成熟度の低い場合は新人教育、既存メンバーで成熟度が平均の場合は全体像の整理と構造の再理解が目的になります。既存メンバーで成熟度の高い場合は、各ステップにおける上手な切り返しやキラートークの蓄積などです。
対象者の成熟度が低いほどスクリプトは細分化され、詳細まで落とし込む必要があります。一方で、成熟度が上がれば上がるほど、ポイントに絞り込んだスクリプトを目指す形がよいでしょう。
(2) 優先度の整理
商談化数の改善余地の大きいトークから順に着手することを推奨します。今回はリード流入チャネルごとに整理を行っていますが、架電フェーズで整理することも一案かと思います。
(3)トークの構造化
対象となるトークが決まったら、スクリプトの整備に入ります。全体像を整理し、徐々に細分化を図ります。文章を細かく作りすぎてしまうと棒読みになってしまい、商談が頭に入ってこない可能性があるので、留意が必要です。
(4)トークTIPS
最後にTIPSを盛り込み、いつでも適切な切り返しができる準備をします。TIPSの求め方はステップごとに異なります。難しい反応に対する切り返し集や顧客ニーズに応じた訴求機能集があれば、1ページでパッと見ることができるので、そういった形式を推奨しています。
3.トークスクリプトの作成
トークスクリプト作成に関してより具体的に解説します。
(1)話者決め
話者は部署の課題を起点にすると決めやすくなります。
レブコムの場合は現在組織拡大中のため、継続的に新入社員が入社してきます。組織として慢性的に人手不足ということもあり、できるだけ早い独り立ちが求められます。
新入社員向けに早期立ち上がりを目的としたスクリプトを作成しました。
他の例ですと、数年同じメンバーでテレアポを行っているが、メンバーごとにアポイントの獲得率にばらつきがあります。トークナレッジに関しても特段共用していないため、メンバー各々トークを行っているところで、アポイント獲得率の高いメンバーを基準とした、能力の平準化を目指す必要があるという課題です。
既存メンバーで成熟度の平均から下位メンバーに向けて、全体像の整理とキラートークの蓄積を目的とした作成となります。
(2) 優先度の整理
どの業界/業態のリードが多いか、どのチャネルからの流入が多いかなど、数値をもとに整理を行います。こちらのステップではリードの種類や難易度ごとに整理をしていきます。皆さまも自社の数値と照らし合わせて整理してみてください。
まず、リードの種類を洗い出します。オーガニック、リスティング広告、SNS広告、イベント、ナーチャリングなどです。
次に、リードの量と商談化の難易度を整理していきます。例えば、オーガニックが全体の30%を占めるので「多い」、またナーチャリング対象リードは全体の5%なので「少ない」といった判断になります。
最後に、商談化の難易度です。SNS広告からの商談化率は35%なので、商談化難易度は「易しい」となり、イベントからの商談化率は2%から5%なので「難しい」となります。
レブコムのスクリプトの作成目的は、新入社員の早期立ち上がりでしたので、リードの量が多く、商談化難易度が低いSNS広告から着手していきます。
このように商談化数の改善余地が大きいトークから着手するとより効果的です。
(3)トークの構造化
架電から商談化までの大きなトークステップを整理し、話し始めから話し終わりまでトークを構造化します。とくにSTEP2とSTEP3がトークの肝となる大切な部分です。各ステップの目的とポイントを整理します。
STEP1.ドアノック
目的は日程の確保と具体的な導入ニーズの有無確認です。ポイントはとにかく簡潔に、顧客に負担をかけずに次のステップに進むことです。ヒアリングや電話日程の調整に入る前に、MiiTelの顧客対象であるかもしっかり確認し、ステップを進めるようにします。
STEP2. 顧客特徴・ニーズ概要の把握
目的は顧客担当者の性質理解、ニーズ概観理解です。顧客がロジカルに端的に話すタイプか、ゆるゆると雑談のように進めていくタイプか、大まかな性質を把握しましょう。
さらには具体的な活用イメージを持っているか、興味・関心の度合いなどを把握し、次のトークへ展開するための手掛かりを得ます。
STEP3. 商談化に向けた期待値醸成
目的は提供プロダクトへの期待値上げです。トークの中で弊社側の主観を排除し、顧客がわくわくするコメントを端的に提供し、サービス活用への期待値を上げていきます。
当社ではMiiTelの具体的な興味や業務イメージが、ある場合とない場合でトークを分岐させます。イメージや興味がある場合は簡潔に業態をヒアリングし、業態に沿った形でイメージをさらに膨らませるトークを展開します。
STEP4. 詳細情報の取得
目的はオンラインセールスへ引き継ぐため、このあと実際に商談を行うセールスチームが受注に繋がりやすいようにアシストする情報を準備します。
(4)丁寧なヒアリング
レブコムでは現在20項目以上のヒアリングを丁寧に行っています。先ほど概要をお伝えしたので、もう少し詳細をみていきましょう。
STEP1. ドアノック
電話の趣旨を説明し、ヒアリングの時間の確保を目指します。電話ができないタイミングであればターゲット顧客かどうかを確認し、後日日程を確保することを目指します。オープニングトークでは、ポジティブなメッセージで関心を得ることを目指します。また、電話の趣旨を伝えることで、スムーズに会話を継続させることができます。
例えば、「資料請求ありがとうございます。どのように貴社に有益なご提案ができるか把握したく、少しお話をさせていただくことはできますでしょうか?」。あくまで御社に有益なご提案をするためとお伝えすることで、先方も気持ちよく情報開示していただけます。
また、よくある一括資料請求などを行っている顧客の場合、電話が来ても類似サービスから続々と連絡が来ているため、サービスの特徴を伝えて、正しく認識していただけるようにします。
例えば、MiiTelの場合「お電話の内容を録音・解析・文字起こしのできるMiiTelの資料請求をいただき、ありがとうございました」といった話し方も有効です。
顧客の反応に対して「時間がない」「忙しい」と対応いただけない場合は、後日日程を確保することを目指します。例えば「興味はあるが、今は忙しい」場合は、問い合わせの背景のみ確認し、次回電話可能日をその場で取り付けたり、「直近忙しい」場合は、問い合わせ背景のみを確認し、電話可能日をその場でおさえることを目指します。電話NGという場合は、メールでお伺いするようにします。
何らかのネクストアクションを創出して終話しましょう。
STEP2. 顧客タイプの把握
ここでは2段階の質問を行い、いずれか一方でも回答できない場合は期待値醸成を行い、両方回答できる場合は、商談化準備すなわちヒアリングに進みます。
まずは、問い合わせの背景確認からです。ここでは顧客がどのタイプか大まかに把握できます。
問い合わせの背景は「MIiTelの資料請求ありがとうございます。今回ご興味持っていただいた背景はいかがでしょうか?」といった話法で聞きます。
すると、大きく3つに分岐します。例えば「インサイドセールスの立ち上げを検討していまして」「アポイントの獲得率が下がっているので」など業務内容の課題の話。または「電話の文字起こしができると知ったので」「解析ができると聞いたので試してみたくて」などサービスの機能の話。もしくは「何となく面白そうだと思って問い合わせした」など明確な回答がないケースもあります。
上位2つ「業務内容の課題の話」や「サービス機能の話」の場合は、それぞれサービス活用のイメージや具体的な業務でのイメージを伺います。さらに具体的なイメージを持っている場合は、商談化の準備に向けてヒアリングのステップに進みます。
まだそこまで具体的なイメージを持っていない場合は、次のステップで期待値醸成を行います。
「今回ご興味を持っていただいた背景はいかがでしょうか?」の問いに、「何となく使えそうだと思って」「AIを使っていろいろできそうだと思って」など明確な回答がない場合もあります。次のステップで「何となく」の詳細な言語化をアシストします。
STEP3-1:状況ヒアリング+事例紹介
サービス活用や業務での活用イメージがない場合、つい焦って自社のおすすめ機能を紹介してしまうケースをよく耳にします。こちらのステップでは状況をヒアリングし、適切な事例を紹介します。
まずは、先方の業務理解を行います。活用を想定できる部署は営業なのか、カスタマーサポートサクセスなのか、もしくは代表電話なのか、どのようなシーンで電話されているかを把握します。
すると業態によって想定できる課題が特定されてきます。例えば「営業の部署でうまく活用してみたい」と返答があった場合、想定される課題は「新人の早期立ち上がり」「商談化率の低迷」「そもそも課題の特定ができるほどデータ化されていない」などです。
新人が毎月複数名入ってくる部署で、教育コストがかけられない課題が特定できた場合、紹介する事例トークとして次の例があげられます。
「MiiTelをご活用いただいている他社さまでは、先輩の営業トークの録音を聞いて真似をすることで、良いトークを学習し、早期に現場に出ることができます。また、トップパフォーマーの話し方と自分の録音データの解析結果を照らし合わせることで、どこを改善すべきか、自分自身で学習できますので、教育コスト削減も期待できます」
このほか、近しい業界の事例をご紹介するのも有効です。
STEP3-2:詳細な言語化支援
「活用イメージなし」「興味もそこまで持っていない」難易度の高い顧客の場合、相手の返答を起点に会話を展開します。相手の返答に対してもう一段階広げるイメージでトークを展開します。
「何となく面白そう」に対して、「普段から積極的に情報収集されているんですか?」と展開していくうちに、先方から「私はITツール導入担当でして、うまく自社で活用できそうなものを常にリサーチしているんですよ」という情報にたどり着けたり、または「広告で見たから」に対して「印象に残ってる部分ありますか?」と展開していくうちに、「通話の文字起こしができる機能がとくに印象に残っているので、議事録作成に便利だなと考えていて」のように、次のトーク展開のヒントにたどり着くまで話を広げていきます。
STEP4. 詳細情報の取得
オンラインセールスが商談を進めやすいように、詳細情報をヒアリングします。レブコムでは20項目以上のヒアリングを実施しています。
最後にトークのTIPSを用意し、良いトーク手法を盛り込みます。レブコムでは各所TIPSを用意していますが、今回は商談化率への影響度が高い「ニーズはあるが、アポがもらえない顧客」に対するアプローチをご紹介いたします。
トークスクリプト作成前はネクストアクションを正しく設定できず、適切な接客が行えないケースがありました。そのためどのような場合でもネクストアクションを設定し、適切な追客を行えるように整備しました。
「興味はあるが、今は忙しい」場合、「後ほどかけ直します」以外に、できるだけその場で電話可能な日程を聞き出しメールでフォローします。これだけで通電率や商談設定率に変化があり、顧客の温度感が下がる前にアポ設定が可能になります。
また、ヒアリングNGの場合「メールで伺わせてください」とお伝えし、以降メールフォローをメインにするのも有効です。
その他、課題に対して紹介すべき適切な事例集や課題訴求の一覧にも役に立つTIPSです。自社の商談に必要な項目をカスタマイズして、ぜひ作成してみてください。
MiiTelのご案内
最後に、トークスクリプト作成に役立つMiiTelをご紹介します。
「MiiTel」は、AI搭載の音声解析付きIP電話です。電話営業やコンタクトセンター業務における、会話の内容を解析し、高精度のフィードバックを行うことで商談獲得率・成約率を向上させる、日本発の音声解析AI電話サービスです。顧客と担当者が「何を」「どのように」話しているか分からない、というブラックボックス化問題を解消し、アナログな議事録作成も自動文字起こし機能が軽減します。
商談内容を振り返りやすいシンプルな設計なので、自ら振り返り商談の質を高めたり、開発や他部門に顧客要望をニュアンスまで正確に伝えたりすることが可能です。
また、MiiTelにより蓄積された顧客とのリアルな音声データは、自社の教育研修、サービス開発、機能改善などに幅広く活用いただけ、企業の事業成長を後押しします。
資料請求やデモの実施も大歓迎ですので、ご興味ございましたら、ぜひお問い合わせください。
MiiTelについての詳細、または資料をご希望の方は下記ページよりご確認、ご依頼ください。
■MiiTelサービスページ:https://miitel.revcomm.co.jp/