- 利用サービス:
- MiiTel Phone
導入1年足らずで成約率が1.8倍に ハイパフォーマーの成功要因の共通言語化が鍵
- 社名
- 株式会社エス・エム・エス
- 業種
- IT・ソフトウェアサービス
- 従業員数
- 1001-5000名
- 活用用途
- インサイドセールス
- 対象
- toB
「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」をミッションに掲げ、「高齢社会×情報」を切り口に40以上のサービスを開発・運営しているエス・エム・エス。同社はクラウド型の介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」を提供しています。介護経営支援事業部にて、新しいサービスの開発や利用促進を担う事業開発グループのインサイドセールスのみなさまに、MiiTelの活用方法を聞きました。
- ― 課題点
- ・メンバーのパフォーマンスにバラつきがある
- ・メンバーに対する教育コストがかかっていた
ハイパフォーマーとの差が広がり教育コストが増大
― みなさんの業務内容・ミッションをお聞かせください。
石堂:
当社で提供している業界特化型SaaSの「カイポケ」は介護事業者の経営改善とサービス品質向上への貢献を目指した経営支援プラットフォームとして、介護保険請求やシフト作成などの業務支援サービスを提供しています。それに加えて、介護事業所経営に必要なサービスを網羅的に提供しています。その中でも私たち事業開発グループのインサイドセールスは介護経営における購買支援をすべく、ICTツールの販売や利用促進の役割を担っています。
私たちのチームでは、フィールドセールスに商談をトスアップすることなく、成約まですべて完結させています。その中で、私はSVを担当しています。
― どのような組織体制で運営していますか。
石堂:
営業未経験からはじめたメンバー約10名で運営しています。メンバーの前職は、小売業界や航空業界など様々です。私たちの所属するインサイドセールスチームは2018年12月に立ち上がったのですが、事業拡大ともに営業メンバーも増え、1年足らずで現在の体制になりました。
木下:
私は当時、入社して1年経たない状況でしたが、組織の生産性を向上するために導入されたMiiTelの活用促進プロジェクトリーダーを任されました。ハイパフォーマーである門脇にもプロジェクトに加わってもらい、組織全体の活用促進における仕組みや企画設計を担当しています。
― MiiTelを導入しようと考えたきっかけをお聞かせください。
石堂:
2019年のインサイドセールスカンファレンスに参加し、そのときはじめてMiiTelを知りました。当時のインサイドセールスチームでは、メンバーごとのパフォーマンスにバラつきがあり、メンバー教育の工数を大きく割いていたことが課題になっていたんです。例えば私自身はメンバー教育だけでなく、施策構築や運用設計をする必要がありましたが、一人ひとりの音声を聞いて1on1でフィードバックをする必要がありました。音声を確認して改善点を整理することに多くの時間を費やしていたんです。MiiTelがあれば、こうした課題を解決できるのではないかと考えました。
― 当時かかえていた課題について、もう少し具体的に教えていただけますか。
石堂:
メンバーごとのパフォーマンスにばらつきがあったという点に関しては、2018年の終わりにインサイドセールスを立ち上げ、そのタイミングで私もジョインし、オペレーションの磨きこみなどをしていました。
その間、新しいメンバーがどんどん入ってきたのですが、メンバーが増えると当然メンバーごとにトークの違いが出てくるため、統一的な業務フローや教育を施していたものの、営業メンバーのパフォーマンスに顕著なバラつきが出てきていました。
営業メンバー同士のKPIの差分は把握できていたので、個人のレベルに応じた教育をすべく、商談の音声を聞きフィードバックを行っていました。
管理者側から能動的にメンバーの音声を聞くことを心がけましたが、メンバー自身も営業スキルを習得したいという意欲が高く、各メンバーから大量の音声を展開されていたのです。
私自身、チーム全体の施策構築や運用設計の業務もあったので、教育工数を下げつつ、メンバーのスキルを向上させるための解決策はないかと日々考えていました。
門脇:
現場のメンバーである私からすると、「あの人だから成果が出ているのでないか」という空気が醸成されてしまうのは好ましくないと思っていました。
私自身も、自分がなぜ継続的に他の人よりも高い成果を出せているのかうまく分析できず、再現性をもって他のメンバーに伝えられないことにもどかしさを感じていたんです。一回一回のトークのあと、自分なりに改善点を洗い出し、振り返りをしてはいたものの、トークのコツを形式化することができていませんでした。
どのメンバーも、やり方次第で成果が出せるようになることを伝え、みんなでがんばっていく風土をつくりたい、商談時の会話のコツを理解することで成果が出せることを実感してほしいと思っていました。
ラリー回数と話速が決定的な差に
― MiiTelを導入した決め手は。
石堂:
ダッシュボードで様々な数値を取得して、ハイパフォーマーのトークを緻密に分析できることです。これまで門脇のトークが“なんとなく”すごいということはわかっていたものの、具体的に何がすごくて、なぜ商談成約につながっているのかまで分析できていなかったんです。通話記録もただ聞き直すだけで、トークの分析や型化が十分にできているとは言えませんでした。
他のCTIツールも検討しましたが、MiiTelならハイパフォーマーである門脇のトークや営業スキルを可視化・数値化し、他のメンバーにも横展開できるのではないかと考えました。
また、話速、被り、トーク・リッスン比率といったMiiTelのスコアを共通言語として会話するカルチャーが根付けば、コミュニケーションの齟齬も解消できると考えました。
― 導入後、MiiTelをどのように活用していますか。
木下:
MiiTelの活用促進を担当している私からすると、導入から1カ月間のデータの蓄積が重要だったと感じています。
どういうことかというと、MiiTelのダッシュボードで門脇と他のメンバーの数値を比較・分析したところ、ラリー回数と話速に大きな差があることがわかりました。ハイパフォーマーの場合、他のメンバーと比べてラリー回数が多く、その一方で話速は非常に遅いということが明らかになりました。
そこでラリー回数改善プロジェクトを始め、3カ月後にはハイパフォーマーとの差がほぼ0に。その結果、お客さまから引き出せていなかった情報を引き出せるようになり、見込み顧客数も成約数も大幅にアップさせることができました。
― 短期間でラリー回数が大幅にアップしたのですね。メンバーのラリー回数を上げるためにどのような取り組みを行ったのですか。
木下:
すでにMiiTelを導入しているスマートドライブ(リンク:スマートドライブ社の事例記事へ)の方々にお話をお聞きし、実践されている取り組みを参考にさせていただきました。RevComm様のCS担当の方に相談をし、Webミーティングを設定していただいたところ快く引き受けていただきました。
たとえば通話記録を共有する仕組みをつくったり、SPINシートを作成してお客さまとの会話を広げる工夫をしたりしていることを教えていただき、すぐ実践すべくプロジェクトに取り入れることとしました。
石堂:
ラリー回数という着目点を持つことができたことにより、通話記録の聞き方も変わりました。ハイパフォーマーは商談に入る前のラポールでお客さまとの関係性構築のためにお客さまとラリーしていたり、商談が終話するタイミングにもかかわらずさらにたくさんの会話をしていたりと、工夫をしていることがわかったのです。
そこでSPINシートにどんどん質問のバリエーションを記入してパターンを増やしていったことが、ラリー回数の増加につながったのだと考えています。
― 話速についてはどのように改善していきましたか?
石堂:
話速については、そもそもこれまで注目したことすらありませんでした。話速の数値を見ていると、介護業界で働く方々はゆっくり話す傾向にあることがわかってきました。ハイパフォーマーは話すスピードがゆっくりな分、相手にしっかりと検討する時間や考える時間を与え、それによって、相手からの質問の数も多くなっていることがわかりました。
ハイパフォーマーの通話記録を聞くことを習慣化
― メンバー教育の面で、MiiTelを使った取り組みなどを行っていますか。
門脇:
上半期は週に1回、自分の通話記録におけるベストプラクティスを共有する会を設けていました。下半期は他のメンバーの通話記録から研究したいと思う音声を5つ選び、その中で最も良いと思ったものを共有する取り組みを行うようになりました。そして、他メンバーがチョイスしたベストプラクティスを聞き、感想を書いてもらっています。
コロナ禍で当社も在宅勤務が続き、他のメンバーの通話を聞く機会が減ってきています。在宅環境で他のメンバーの会話が聞けずに自分のトークに活かすことができないのは個人にとっても、チームにとってもマイナスであると考えました。そこで、他のメンバーの通話記録を聞く習慣をつけてもらうため、「通話記録を聞く」ことを仕組み化することにしました。
― メンバーを教育する上で、どのような点を重視していますか。
門脇:
自分の力でトークを改善する思考力を重視しています。早期にスキルアップするためには、ハイパフォーマーのトークを丸ごと真似するくらいの気概が必要です。
実際、それを続ければ結果も出ますし、ある程度はモチベーションも続きます。しかし、次第に同じトークの繰り返しに飽きたり、自己流のアレンジを加えたくなったりするものです。
そのとき、自分のトークを客観的に振り返り、ハイパフォーマーのトークと何が違い、どうすればより成果につながるアクションができるのか、納得感を得ながら架電を続けることが大切になってきます。
― 他にはどのような機能を利用していますか。
石堂:
通電時間や見込み顧客を獲得しやすい時間帯についてヒートマップ上でひと目でわかるところが、非常に助かっています。また、応答メモによって聞きたい音声にたどり着きやすいところも助かっていますね。
木下:
メンバーとしては、ベストプラクティスをピックアップするときに「見込み顧客」「ベストプラクティス」などで絞り込みをかけることができる点が非常に便利だと感じています。
見込み顧客、成約数ともに前年比2倍近くへ上昇
― どのような成果が表れましたか。
木下:
見込み顧客の獲得数が前年比1.7倍、成約数は1.8倍となりました。ラリー回数についても2020年5月にMiiTelを導入し、9月にはハイパフォーマーとほぼ同じ数値まで向上させることができました。
石堂:
私自身の課題でもあった、教育コストを削減することもできました。以前は通話記録を聞き返すだけで、多くの時間を割かなければいけない状態でした。しかしいまはやみくもに通話記録を聞き直すことはありません。週に1回30分の1on1で営業進捗を確認すれば、メンバーの指導が終わるため非常に楽になりました。
メンバー自ら「MiiTelの数値を見て、ラリー回数の改善に取り組んでいます」「もっとお客さまと関係性を深める会話をするためにはどうすればいいですか」といったクリティカルな話が出てくるようになりました。メンバーが自律的に課題設定を行い、セルフコーチングしていることを実感できて嬉しいですね。
― 今後の展望についてお聞かせください。
山際:
メンバー一人ひとりが主体性を持って創造性を発揮できる環境を整えたいと考えています。一時的にベストプラクティスの「型」をつくったとしても継続させるには、メンバー自身が主体的にアップデートしなければ形骸化してしまいます。
MiiTelのように営業プロセスを科学的に可視化するツールを活用することで、仮説・検証のサイクルを回すスピードが飛躍的に早くなりました。メンバー自身からも、自発的に新しい手法を発案して、試してみようという意欲の高まりを感じています。
こうした取り組みを日常的かつ継続的に行うことで、発見と変化を体感し続けられる組織づくりを行っていきたいですね。
― 最後に、MiiTelを検討中の方にメッセージをお願いします。
山際:
MiiTelは教育担当者からメンバーへのフィードバックをしやすいのが大きな特徴です。様々な項目が数値化されるので、客観的なフィードバックが可能です。メンバー教育において具体的な改善活動のサイクルがまわっていないと感じたら、MiiTelを活用することで教育担当者のフィードバックが恣意的にならず、メンバーにとって納得感の高いフィードバックができるようになると思います。
門脇:
他部署の方からMiiTelの感想を聞かれたとき、必ず「MiiTel、すごくいいよ!」と答えています。そのとき、よく伝えるのは木下のことで。プロジェクトリーダーとして、チーム内の意見の取りまとめや仕組み化を推進するだけでなく、社外のネットワークを駆使してベストプラクティスを組織に還元しようとする推進力が凄いと感じています。木下が一生懸命だったので、周りのメンバーもMiiTelを活用してどう成果を出していくか自然と考えるようになっていったと思います。
こうしたチーム風土づくりにも、MiiTelは貢献してくれると考えています。
― ありがとうございました!
- 社名
- 株式会社エス・エム・エス
- 業種
- IT・ソフトウェアサービス
- 従業員数
- 1001-5000名
- 活用用途
- インサイドセールス
- 対象
- toB