リモート営業で売上を伸ばす企業が教えるマネジメント術

2021年2月24日に主催させていただいたセミナー「営業マネジメントと組織論」は多くの方に参加をして頂きました。大好評だったセミナー内容を要約しましたので、マネジメントを実施する際にお役立てください。この記事では、第2部の「営業マネジメントと組織論」について分かりやすく解説します。

リモート営業マネジメントの基本

この記事では、リモート営業で売上を伸ばす各企業のリモート営業マネジメント術を紹介しますが、具体的な施策を確認する前にリモート営業マネジメントの基本を押さえておきましょう。

押さえるべきポイントとは?

1.業務内容を可視化する

リモート営業では、チームメンバーの行動が見えにくく、情報共有ができないなどの課題があげられます。そのため、業務内容や進捗状況の可視化が必要です。

2.チームビルディングで組織力を高める

リモート営業は孤独を感じやすく、組織に所属している意識が低下しがちです。そのため、チームビルディングを実施して、組織所属の意識を高める必要があります。

3.業務環境を改善する

リモート営業では、相手の状況が見えないため相談がしにくいという課題も挙げられます。このような課題を解決するために、その都度、業務環境を改善していく必要があります。

4.社員教育を実施する

組織力を上げるためには、社員教育が欠かせません。そのため、リモート環境下でも社員教育体制を整える必要があります。

 レブコム社のリモート営業マネジメント術

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、非対面営業が推奨されました。リモート営業を実現するデジタルツール「MiiTel」を提供するレブコム社。なぜ、リモート営業体制を整えるためにMiiTelの導入が必要なのでしょうか?まずは、MiiTelを提供するレブコム社のリモート営業マネジメント術をご紹介します。

営業データの可視化で稼働率を把握

レブコム社では、営業データの可視化に徹しています。営業データ活用マネジメント術でも紹介しましたが、データは根拠となるため、建設的な話し合いが行えるようになります。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、リモート営業に取り組む企業は増えましたが、各従業員の稼働状況が分からずに監視することが大きな問題として取り上げられました。

しかし、デジタルツールを活用すれば、商談状況や稼働状況を数値でモニタリングできるため、監視する必要がありません。営業データを管理していれば、リモート営業に移行しても支障は出ないのです。

その一方で、デジタルツールを導入することが最終目的となっている企業は、リモート営業に苦戦します。そのため、リモート営業体制を整えたい企業はデジタルツールを活用して、データを可視化していく必要があります。

リモート営業による社員教育体制を整備

リモート環境下では、各従業員の働く姿勢を直接見ることはできません。しかし、各従業員の稼働状況はデータ解析でモニタリングできます。

例えば、AI搭載型IP電話を活用すれば、通話記録も自動録音ができ、成約に至らない要因まで解析できます。自社商品の知識を保有して熱意はあるけれど、話す速度が早くて聞き取りづらいなどで成約に至らないこともあります。

営業データを可視化することで、各従業員が抱える課題を見つけることができます。データを根拠とした教育を実施すれば、リモート環境でも実効的な社員教育体制を整えらることができます。

デジタルツールを活用して組織力を上げる

リモート営業では、デジタルツールを活用したデータの可視化が必要だと解説しました。レブコム社で導入されている主なデジタルツールを以下に紹介します。ぜひ、デジタルツールを導入する際にお役立てください。

ツール名 詳細内容
HRMOS 人財活用プラットフォームで、採用から入社後の活躍までのデータを連携。様々なデータを統合することで、客観的な判断に基づく「採用」「評価」「育成」「配置」を実現できるデジタルツール。
デジタルホワイトボード 会議で使用するホワイトボードを画面上で共有できるデジタルツール。ホワイトボードの内容はWordやExcelに落とし込めるため、議事録にもなる。業務効率化に最適なデジタルツール。
Slack コミュニケーションツール。各従業員のオンライン・オフラインの状態が確認できるため、リモート環境下でもコミュニケーションが取れる。
MiiTel 電話営業(オンライン商談)を可視化する音声解析AI搭載型IP電話。リモート環境下の各従業員の稼働率や商談内容を解析できる。

セレブリックス社のリモート営業マネジメント術

セレブリックス社は、クライアント企業の収益向上を実現するための営業代行サービスを提供しています。データの可視化で稼働状況をチェックできる仕組みで、リモートコールセンターの構築に成功。

それだけではなく、在宅勤務者の健康状態まで配慮したリモート営業マネジメント術を実施して、従業員満足度の向上にも成功しています。ここでは、セレブリックス社のリモートマネジメント術を紹介します。

タレントマネジメント部署を立ち上げる

リモート営業では、組織で話し合う機会が減り孤独を感じやすくなります。そのため、リモート営業では従業員の健康状態の管理を行わなければいけません。セレブリックス社では、このような役割を担う部署として、タレントマネジメント部署を立ち上げています。

タレントマネジメント部とは、エンゲージメント調査やパルスサーベイを実施して、組織力向上や従業員のメンタルケアを実施する部署のことをいいます。タレントマネジメント部署を設けることでて、組織と各従業員のコンディションを診断して健全なリモート営業を実現しています。

組織のコンディションを診断する

リモート営業でも組織力を維持するために、組織改善を目的としたエンゲージメントサービス「wevox」を導入しています。匿名性アンケートを実施してデータ収集・解析することで、組織の強みや課題を的確に把握しているのです。

セレブリックス社は営業代行会社で、所有するプロジェクト数は数百件にものぼります。クライアントに最大限の収益を提供するためにプロジェクト毎の組織状態を観測し、課題を抱えている組織に対してフォローを実施しているのです。また、組織のコンディションに関する診断結果をプロジェクトリーダーの育成にも役立てています。

各従業員のコンディションを診断する

セレブリックス社の社員は、1日80件から100件以上の電話営業をしています。営業は断られてしまうことも多いため、精神的にキツイと感じることも珍しいことではありません。

そのため月1回、従業員のパルスサーベイ(従業員の意識調査)を実施しています。パルスサーベイの結果で、前回よりスコアが下がっている従業員に対して面談を実施しています。

面談では、抱えている悩みや課題をヒアリングすることが主な目的です。このヒアリングは、従業員の直属の上司ではなく、タレントマネジメント部署の担当者が行います。第三者的立場の担当者が介入することで、相談しやすい環境を整備しているのです。

ウイングアーク1st社のリモート営業マネジメント術

新型コロナウイルス感染拡大前から「在宅勤務」を採用するなど、多様な働き方で従業員満足度を高めているウイングアーク1st社。リモートワーク環境下でも組織サーベイは向上しているという。

リモートワークはチームビルディングが難しいなどの課題がありますが、このような課題も解決。実際に、どのようなマネジメントを行っているのでしょうか?ここでは、ウイングアーク1st社のリモートワークマネジメント術をご紹介します。

データをリアルタイムに流通させることでチームを繋げる

ウイングアーク1st社はデータ活用を支援する事業を展開しています。社内においても経営状況や事業単位の管理会計、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスといった収益を創り上げる組織のデータを横断的に収集し、全体のレベニューマネジメントを統括するメトリクスを構築し、組織パフォーマンス向上に繋げています。

例えば、役員のOKRや各部門のKPIは共有されており、常に各組織がどのような状態にあるかリアルタイムにデータが更新され、ボットにより定期的にチャットツールにデータを流しています。

どの組織がどのように活用し、どのような成果や進捗が出ているのか、課題点も含め数字が正確な状況を伝えていきます。だからリモートワークにおいてもお互いの状況を理解することが出来ます。

パイプラインが不足してくれば、その状況を把握し、誰かから依頼がなくてもマーケティング担当者は緊急でプロジェクトを立ち上げ、営業部門と連携をおこなう。といった事が日常的に発生しています。

社員のトリセツを作成・共有する

一緒に働く社員がどういった人物なのか、ウイングアーク1st社では社員のトリセツを作成・共有しています。

各社員の自己紹介を開始すると1人の社員に割ける時間は僅かです。しかし、全社員のトリセツを共有しておけば、同じ組織にどのようなメンバーが在籍しているかを把握できます。このような仕組みを整えることで組織力を高めています。

必要に応じて顔を合わせる機会を設ける

多様な働き方を実現しているウイングアーク1st社ですが、必要に応じて顔を合わせる機会を設けています。オンライン会議では、相手の表情が読み取りづらく混線戦状態になることも多いです。そのため、ブレスト会議(参加メンバーでアイデアを出し合う会議)などは顔を合わせています。

また、チームビルディング目的のイベントなども定期的に企画しています。

まとめ

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、リモート営業を余儀なくされました。リモート営業に苦戦した企業もあれば、リモート営業を活用して売上を伸ばせた企業もあります。この記事では、リモート営業で売上を伸ばす3社のリモート営業マネジメント術をご紹介しましたが、最後におさらいをしておきましょう。

 【リモート営業マネジメント術】

  • 営業データの可視化で稼働率をモニタリングできる状態にする
  • タレントマネジメント部門を立ち上げる
  • 組織の所属意識を持ってもらえる仕組みを構築する

いかがでしたでしょうか?新型コロナウイルスが収束しても、多様な働き方を実現することができれば、従業員満足度を上げていくことができ、優秀な人材の獲得にも繋げられるはずです。ぜひ、リモート環境の整備をしてみてください。

【参考】インサイドセールス成功事例に関する記事

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