顧客理解から始めるリードナーチャリング (1)顧客理解を深める方法
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株式会社才流 マーケティングコンサルティング事業責任者 澤井和弘氏 SAIRUマーケティングコンサルタントとして、大手企業からベンチャー企業までのマーケティングプロジェクト支援を担当。BtoBマーケティング部門の立ち上げで、月間500件のリード獲得に成功。また、BtoBマーケティング支援で月間リード数200件まで拡大させた実績を保有する。顧客理解を深めたナーチャリングが得意で、商談化に繋がるリード獲得を得意としている。 企業URL:https://sairu.co.jp/ Twitter: https://twitter.com/sawapp
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、非対面営業が推奨されている中で、Webマーケティングを強化する企業が増えました。Webマーケティング施策は、デジタル広告やウェビナー、SNS投稿など多様化してきています。 どの施策をするべきか迷う方もいますが、マーケティング施策で成果を出すためには「顧客理解」から始めましょう。なぜ、顧客理解が大切なのでしょうか?どのように顧客理解を深めるのでしょうか? この記事では、マーケティングにおける顧客理解の重要性について分かりやすく解説します。
顧客理解ができていない失敗事例
顧客理解ができていなければ、マーケティング施策をしても成果に繋がりません。まずは、よくある失敗事例をご紹介します。サイトに必要な情報が掲載されていない
サービスサイトに顧客へ伝えたい情報を盛り込んでいるものは非常に多いです。このようなサービスサイトでは、企業側が伝えたい内容と顧客側が求めている内容に相違があると離脱されてしまいます。そのため、顧客が求めている情報を掲載しましょう。 顧客は「課題が解決できるサービスであるか?」「競合サービスとの違いはなにか?」などへ興味・関心を抱いています。求めている情報を具体的に把握するために、見込顧客や既存顧客からヒアリングしてみることをおすすめします。 また、サービスサイトを顧客に閲覧してもらって、どのような閲覧導線なのか検証することも大切です。顧客が購買プロセスに必要とする情報を簡単に取り出せるサイトを目指して、制作や改善に取り掛かりましょう。購買プロセスを理解せずに広告配信している
成果が出るマーケティング施策には、購買プロセスの理解が欠かせません。顧客の心理や購買のタイミングを理解することで、効果的なプロモーションを仕掛けられるようになります。 購買プロセスを理解せずに、検索連動型広告に出稿して成果が出ないと悩む方は多いです。これは、想定した購買プロセスと実際のプロセスとの違いによって起こります。 A社の製品導入を決めていたけれど、稟議の関係で競合サービスの見積もりを取得しなければいけないことも多々あります。このような購買プロセスを把握せずに、広告配信しても成果は出ません。リード獲得に成功しているが、受注率は低いという事態に陥ってしまうため気をつけましょう。 購買プロセスを正しく理解できれば、A社の製品と差別化できる情報を付与して興味喚起を呼び掛けるなどの対策が行えます。自社都合のコンテンツ配信をする
メルマガ配信やSNS投稿で、一方的なメッセージを送ると顧客側に迷惑がられます。配信したコンテンツを顧客に有益な情報だと認識してもらえません。顧客理解はできていると認識している方がいますが、実際にできていない方が多いです。 同じ情報でも受け手次第で「有益なコンテンツ」にも「邪魔なコンテンツ」にもなるということを理解しておかなければいけません。 従って、既存顧客や見込顧客が求めている情報は何かをヒアリングして、役立つコンテンツを配信していきましょう。お役立ち情報であれば、有益なコンテンツだと喜んで受け取ってもらえます。ウェビナー主催後に商談を打診する
ウェビナー主催後には、顧客情報を収集してリスト作成します。顧客の購買プロセスを理解できておらず、セミナー参加者に商談を打診してしまう方が多いです。 セミナー参加者でも、1人1人検討段階は大きく異なることを把握しておかなければいけません。 サービス導入を具体的に検討していない顧客に対して、商談を打診するのは控えましょう。押し売りとなり、良好な関係が築けなくなります。従って、顧客の検討段階に応じた適切なアプローチをしましょう。 インターネットの普及に伴って、顧客の購買プロセスは大きく変わりました。そのため、顧客リスト全員に商談を打診するのではなく、信頼関係の醸成を目指した適切なアプローチを図りましょう。適切なアプローチができていない
リモートワークの普及によって「メール」「電話」「対面営業」に「オンライン営業」が加わりました。これらのアプローチ方法は適切なものを選ぶことが重要です。 例えば、顧客側が求める情報をメールに資料添付して送る方がいます。資料を送るだけでは、顧客が理解できない恐れがあります。このような場合は、顧客側に「お時間が宜しければ、オンライン上で説明をしましょうか?」とお聞きして情報提供したほうが商談機会を作れる可能性が上がります。 オンライン営業は、場所や時間を問わずに営業ができる営業ツールで、資料を共有しながら説明ができる強みを持っています。顧客の検討度合いに応じた適切なアプローチをすることで、ビジネスの成果を上げていくことができます。顧客理解をするためにできる4つのこと
マーケティング施策前に「顧客理解」をしておくことが大切です。実際に、どのように顧客理解をしていけばよいのでしょうか?次に顧客理解をするためにできることをご紹介します。顧客へのインタビュー
顧客理解を深めるために、既存顧客や見込顧客にインタビューしてみてください。サービス導入に至った経緯や購買プロセスの比較軸などを聞いておくことで、適切なマーケティング施策が行えるようになります。インタビューの質問内容には次のようなものが挙げられます。 【質問事項】- どのような課題を解決したかったのか?
- サービス導入に至った背景は?
- サービス導入を検討した際に何を優先したか?
- どのような検討プロセスだったのか?
- 製品の比較軸は?何が決め手だったのか?
- 普段の情報収集は、どのようにやっているのか?
- サービスサイトを閲覧した感想は?
営業データの解析をする
顧客管理や営業支援システムをはじめ、MA/SFAツールやAI搭載型IP電話「MiiTel」など、営業データを蓄積できるツールが続々と登場しています。このようなデジタルツールを活用し、営業データを解析していくことで顧客理解が深められます。 成約や失注の原因を解析していけば、共通点が見つけられるでしょう。このような共通点から、マーケティング施策の改善点や成功している要因が解明できて、納得度の高いマーケティング施策が行えます。カスタマーサポートやセールス部門と情報交換する
マーケティングで成果を高めるためには、カスタマーサポート部門やセールス部門との連携が鍵となります。多くの企業で各部門が分断されていることでしょう。 顧客と接点の多いカスタマーサポート部門やセールス部門は顧客情報を大量に保有しています。また、顧客からの質問や要望を聞く機会が多いです。 各部門と顧客情報の共有をして分析していけば、顧客理解度を高めていけます。そのため、マーケティング部は各部門と連携を図るようにしましょう。ユーザーテストを実施する
サービスサイトは、顧客目線で制作する必要があります。サイト訪問者が求めている情報を瞬時に探し出せるUI/UXにする必要があります。 従来は、ヒートマップツールを活用したサイト分析が主流でしたが、オンライン上で閲覧してもらう方法がおすすめです。画面共有モードにして、サイトを閲覧してもらうことで、どのようなステップでサイト閲覧がされているかを検証できます。 ぜひ、サイト制作やサイト改善をする場合は、ユーザーテストを実施してみてください。まとめ
マーケティング施策で成果を上げるためには「顧客理解」が必要不可欠です。顧客理解をしないまま、マーケティング施策をしても理想通りの効果が得られません。そのため、顧客理解をしておきましょう。 【顧客理解をするための4つの方法】- 既存顧客・見込顧客へのインタビュー
- 営業データを解析する
- カスタマーサポートやセールス部門との情報交換
- ユーザーテストの実施