みなさん。こんにちは。今回は、株式会社エフ・コード マーケティングテクノロジー部門 インサイドセールスチーム統括 阿部朱美氏へのインタビュー記事を掲載します。
「MiiTelのAI分析を活用した教育方法とは?」ということでMiiTelを活用した人材教育の方法について教えて頂きました。
株式会社エフ・コード
マーケティングテクノロジー部門 インサイドセールスチーム統括
阿部 朱美氏
資生堂、ニッセンにおいて20年以上、コールセンター及びインサイドセールス業務、教育・マネジメント業務に従事。
人と一緒のことをしていたらダメ、踏み込んだ提案でNo.1を獲得
ーーまずは、これまでの経歴について教えていただけますか?
阿部朱美氏(以下、敬称略)
化粧品販売店を経営している母の影響もあって、卒業後は大手化粧品メーカーに就職しました。
当時は、市場の拡大とともに競争が激化してきており、いかにして売り上げをつくっていくか…。人と一緒のことをしていたらダメということに気付かされました。「お客さまに寄り添った踏み込んだサービスをすることで喜んでいただける。その先に売り上げは必ずついてくる」って、その頃から思っていました。
当時、他のメンバーは商品説明をしてセールスしていましたが、私は一番高価なハンドクリームを実費で購入して、接客しながらハンドマッサージをしていました。そのとき売りたい商品をお客さまの目の着くところに置いておきます。いろんな話をしながら、あえて沈黙の時間をつくると、目の前の商品を見て「これ何?」って興味をもっていただける。こうして美容液の販売数で西日本1位を獲得しました。私の営業ノウハウの基盤は、この資生堂時代に築かれたと思っています。
ーーその後、ニッセンのコールセンターに転職されたんですよね。
阿部
そうですね。結婚・出産を経てしばらくは専業主婦をしていたのですが、ニッセンで化粧品部門のコールセンターを立ち上げるという求人広告を見て、最初はパートで入社しました。
ほとんどのオペレーターが商品の成分や価格の説明を中心にトークをしている中で、「この商品があることで、これだけ豊かになりますよ」って、まったく違う表現方法でアプローチしていましたら、あっという間に実績1位になりました。
ーーすごいですね。
阿部
チームメンバーから「なぜそんなに売れるのか教えてほしい」って言われて、お昼休みに勉強会を始めたのです。するとチーム自体の売り上げが飛躍的にアップしました。それを当時の社長が見ていて、研修担当に抜擢されました。
その後、単品通販事業部の健康食品部門と化粧品部門が新設。その頃には正社員に昇格し、商品開発以外のことは全てさせていただきました。
インバウンドのコールセンターでは新規獲得事業を行っていました。それが全国に8コールセンターあったので、BPO先に1ヶ月約30〜40万コールのリストを出して、そこの担当をさせていただきました。
ーーニッセンを辞められて、福岡の化粧品会社ではどのような業務をされていたんですか?
阿部
福岡でのミッションはコールセンターの統括でした。お試しセットに含まれる化粧水の定期販売をするんですが、インフォマーシャルに加え、外注先でのコール業務がありました。
入社当初は、お試しセット購入者の4割程度が定期購入していたんですね。それを1年間で倍近くまで引き上げました。LTV(顧客生涯価値)でいうと数千万円。強烈なインパクトを残してきました。
このときMiiTelに出会っていたら、「あんなに苦労しなくてよかったのに」って思いますね。
MiiTelに出会ったときはショック!私の今までの苦労はなんだったんだろうって
ーー具体的にどんな苦労をされたんですか?
阿部
もう気が狂いそうになるくらい、コールを聞きました。それを徹底的に分析したら、ある日、ふと見えたことがありました。
コールセンターではまずは、飛び抜けたトークスキルで成績出し続ける”トップスター”の方がいます。そんな中で、みんなトップオペレーターの真似をしたがるんですね。会社もトップオペレーターの真似をしなさいという指示があります。でも、不思議なことにスクリプトにできません。仮にスクリプトにして、真似ても成果が上がらない。だから”トップスター”なのです。
そうではなくて、目立たないけれど常に成績10位以内に入っている人がいます。この人の音声を徹底的に分析すると、トークスクリプトができるんです。だれでも、それを活用すれば実績が上がり、これが全体の底上げにつながります。
ところが不思議なことに、ある一定数からは伸びない。全員に同じスクリプトを渡しているのに…。なんでだろうと思って、成績が良くないメンバーの音声を聞いたら、抑揚やスピード、音域に問題があったことがわかりました。
人が心地よく聞こえる音域って、ドレミファソの「ソ」の音らしいです。これ以上高くても低くてもダメでして、同じ言葉でも音域によって、耳から入ってくる印象が変わります。
でも、音域やスピード、抑揚って、数値化にはできません。そこで、今度は何をしたかといいますと、一文字一文字をここからここまで何秒で読めということで、メトロノームを使って訓練をさせました。でも、できないんですよ。本人はどこに問題があるのか自覚がないから。
このときMiiTelがあれば、もっと簡単にできたんだろうなっていう思いが、MiiTelに初めて会ったときの印象でした。
なので、MiiTelを単なる音声録音ツールと思ってもらいたくないです。分析能力に優れたツールとして、その効果を最大限に活かしてほしいです。
ーーインバウンドとアウトバウンドでは、トークのコツは違うものですか?
阿部
まったく違います。インバウンドは、相手の質問に対して的確かつ迅速に答えられることが最も重要です。それほど営業能力は必要ないです。
一方でアウトバウンドは、相手に合わせて臨機応変に対応できるかが重要です。トークの引き出しがあるかどうかが肝になります。相手の悩みをあの手この手を使って引き出さないといけないので、営業能力が求められます。話すスピードもまったく変わってきます。
ーー実際にMiiTelを使ったときの印象はいかがでしたか?
阿部
これまで出会ったオペレーターの数は1,000人を軽く超えています。その全員を指導してきましたが、MiiTelを使う前は、彼女ら経験をベースに教育するしかなかったですが、MiiTelを初めて使ったとき、自分がこれまでやってきた評価方法や分析の仕方が間違っていなかったと確信できました。
ーー主に使うMiiTelの機能は何ですか?
阿部
一人ひとりのトーク内容の振り返りです。例えば、コールドリードと話すときは、早口の方がよいです。ゆっくり話すほうがいいと思われがちですが、リストによって違います。
ーー受け手としてわかる気がします。
阿部
そうですよね。いきなり電話がかかってきて、「〇〇さまはいらっしゃいますでしょうか」なんてゆったりとした口調で話されたら、営業電話だと気づかれて切られてしまうのがオチです。相手に考える隙を与えてはいけないです。でも、担当者につながったら話すスピードを落とさないといけない。そこができているかをチェックします。
要件について話ができているかは、テキストで確認しています。とくにマーケティングが取ってきたリードは、双方で話がきっちりできていないと認識にズレが生じてしまいます。
あと、成功トークはほぼすべてストックしています。1年後に聞くと、その子の成長ぶりがわかります。本人にも聞かせています。
オペレーターの定着率は、SVがフォローできているか否かで決まる
ーーそれはモチベーションを上げるために大切ということでしょうか?
阿部
そうです。大切なのは、人です。コールも接客も店舗も、マンパワーではないかと思います。。モチベーションを維持してあげることは非常に大切です。
だからこそ、SVは絶対にコールしてはいけません。SVが忙しそうだから声をかけづらいコールセンターは、人の出入りが激しい気がします。
SVの任務はみんなをまとめたり、モチベーションを高めてあげることだと私は思っています。それが、オペレーターの数が足りないからといって、自らコールしていては、組織はたちまち崩れていきます。
オペレーターの離職率を下げるには、SVがどれくらいきめ細やかにフォローできるかにかかっていると思います。
ーーSVのフォローって具体的にどんなことですか?
阿部
オペレーターが手を上げていたら、すぐに駆けつけて教えてあげることや、成果が出せたときは褒めてあげること、悩みを抱えているときはこちらから声をかけてあげること。SVは世話焼きじゃないとダメですね。
それが、音声データを聞いてスクリプトを作ったり、クレーム対応で音声チェックをしたり、そういった煩雑な業務に時間を奪われてしまうと、SV本来の任務が果たせなくなってしまいます。
私が今まで見てきた中で、離職率が低い会社は、SVがオペレーターにきめ細やかに対応できるだけの時間が持てているところでした。
新人が定着しないのは、採用に問題があるわけではなく、その先の育成フェーズがポイントで、SVに一人ひとりをフォローする十分な時間があるかどうかだと思います。だからMiiTelがあったら、そういった煩雑な業務をしなくていいのになと思います。
ーーそういう意味では、MiiTelはSVが教育にかける時間を生み出すという効果もあるんですね。
阿部
はい、大いにあると思います。
続きは
「後編」になります。
「MiiTelのAI分析を活用した教育方法とは?」(後編)へ。
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