クラウドPBXとは?オンプレミスから進化したサービスの魅力を解説!
2022年10月20日
近頃は、さまざまなサービスがクラウド化してきています。ICT市場専門リサーチ会社MM総研の「国内クラウドサービス需要動向調査」では、2021年度の国内クラウドサービスの市場規模は3.5兆円規模にまで成長したと述べられています。
オフィス電話の主装置であるPBX(電話交換機)もクラウド化が進んでいます。PBXをオンプレミスからクラウドに切り替えると、どのようなメリットがあるのでしょうか?この記事では、クラウドPBXについて詳しく解説します。
※オンプレミスとは、サーバーやソフトウェアなどの情報システムを、使用者が管理している施設の構内に機器を設置して運用することをいいます。オンプレミス型PBXとは置型タイプのPBXのことであり、PBXと電話機を物理的に繋ぐため、PBX、サーバーなどの環境に加えて光回線などの電話回線を用意することで運用ができます。
※クラウドPBXは、月額利用料はかかるケースが殆どですが、導入コストを抑えたい方はクラウドPBXを検討しましょう。
クラウドPBXとは?
クラウドPBX(Cloud Private Branch eXchange)とは、オフィス電話を使いやすくするためのPBX機能をインターネットを介して利用できるサービスをいいます。 従来は、オンプレミスのPBXを社内に設置しなければいけませんでした。しかし、クラウドPBXの登場により、インターネット上で電話環境が構築できるようになったのです。電話機やPBXの設置工事が必要なく、コールセンターシステムを自社運用できるようになるため、クラウドPBXが注目を浴びています。 ※PBXについて PBXは「Private Branch Exchange」の略で、電話交換機のことです。オフィスやコールセンターなどで活用されている複数の電話回線を集約して、内線同士の接続や、外線と内線との接続を制御します。発着信の制御機能、内線同士の通話機能、他の電話機への転送機能、パーク保留機能などが主な機能になります。クラウドPBXの主な機能
クラウドPBXには、主に以下のような機能があります。 [PBXの機能]- ACD機能:着信電話を自動で振り分ける機能
- IVR機能:オペレーターに繋げる前に音声ガイダンスを流す機能
- パーク保留機能:他の電話機で途中から通話に出るための機能
- 通話録音機能:通話内容を自動で録音してサーバーやPCに保存する機能
- 通話モニタリング機能:通話内容を他の電話機で聞く機能
- ウィスパリング機能:通話を聞きながら、オペレーターに指示が出すための機能
- CMS機能:コールセンターの状況を分析する機能
クラウドPBXと接続できる電話機
クラウドPBXを導入すれば、さまざまなデバイスを電話機として利用できるようになります。 ・IP電話 インターネットを介して通話できる電話機 LANケーブル接続すれば電話機として活用できる ・ソフトフォン 専用ソフトウェアをインストールしたコンピュータ PC上で電話できるようにするためにソフトウェアをインストールする ・スマートフォン 社用のスマートフォン スマートフォンを内線かすれば在宅勤務に対応できるオンプレミスPBXとクラウドPBXの比較表
オンプレミスPBXとクラウドPBXを比較すると以下の表の通りになります。オンプレミスPBX | クラウドPBX | |
利用規模 | ・単独拠点 | ・複数拠点 |
メリット | ・停電時に利用できる | ・インターネット上で利用できる ・スマホやソフトフォンが使用できる |
スマートフォンの内線化 | 不可能 | 可能 |
事業拡大・事業縮小への柔軟性 | ・配線工事が必要 | ・配線工事が不要 ・柔軟に対応できる |
利用上の注意点 | ・BCP対策が必要 ・会計処理が複雑 | ・音声品質はベンダーに依存する ・緊急通報が使用できない |
セキュリティ体制 | ・自社で対策をする | ベンダーがセキュリティ対策をする |
導入コスト | ・PBX購入費 ・配線工事費 ・電話の設定費 | ・初期導入費 (※ベンダーにより異なる) |
クラウドPBXの特徴
クラウドPBXの基本知識を解説しましたが、特徴をまとめると以下の通りです。 導入コストがかからない- コールセンターシステムを自前で運営ができる
- ITツールと連携できる
導入コストがかからない
クラウドPBXであれば、導入コストがかかりません。その理由は、「PBX購入費」「配線工事費」「設定費」が全くかからないためです。オンプレミスPBXとクラウドPBXを比較すると、70万円程度削減できます。オンプレミスPBX | クラウドPBX | |
電話機(10台分) | 380,000円 | – |
PBX代金 | 300,000円 | – |
配線工事費・設定費 | 20,000円 | – |
合計 | 700,000円 | 0円 |