固定電話からIP電話に切り替えるメリット・デメリットとは？

2024年1月に固定電話が廃止され、IP電話に移行されます。その理由は、携帯電話の普及に伴って固定電話の契約数が減少してきたためです。

固定電話から移行されるIP電話ですが、上手く活用すると業務の効率化が図れます。そのため、固定電話からIP電話に切り替えるメリット・デメリットを学んでおきましょう。この記事を読めば、安心してIP電話に切り替えられるようになるだけでなく、ビジネスにフル活用するための方法を身に付けられるため参考にしてみてください。

※2024年に固定電話が廃止されます。対処方法はこちらの記事「電話を見直そう！2024年に固定電話が廃止される上での問題と解決策とは?」をお読みください。

1 IP電話とは？
2 固定電話をIP電話に切り替えるメリット
3 固定電話をIP電話に切り替えるデメリット
4 固定電話をIP電話に切り替えるなら「ミーテル」
5 まとめ

IP電話とは？

IP電話とは、インターネット回線を用いた電話サービスです。インターネット上で音声信号を送る技術VoIPを活用して通話を行います。固定電話とIP電話を比較すると、次のような違いがあります。

■固定電話とIP電話の比較表

	固定電話	IP電話
導入費用	高い	安い
通話料金	高い	安い
通話品質	安定	安定

上記の表から、IP電話の導入費用や通話料金が固定電話より安いことが分かります。IP電話の通話品質は不安定ではありましたが、5G技術などインフラが整備されてきて安定し始めてきました。現在では、IP電話でも支障なく通話ができるようになりました。そのため、ビジネスフォンを準備する際に、固定電話ではなくIP電話を選ぶ企業が増えています。

参考：『ITトレンド　IP電話と固定電話の違いは？それぞれの回線・仕組みを解説！』

固定電話をIP電話に切り替えるメリット

IP電話を上手に活用するために、固定電話から切り替える6つのメリットを覚えておきましょう。

通話料金が安くなる
低コストで導入できる
PCやスマホから通話できる
システム連携で業務効率化が図れる
複数拠点の電話システムを一括管理できる
リモートワークに対応しやすくなる

ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。

1.通話料金が安くなる

固定電話からIP電話に切り替えると通話料金が安くなります。その理由は、IP電話であれば距離が変わっても通話料金は一律であるためです。また、IP電話は同じプロバイダー同士であれば、通話料金が無料になります。

2.低コストで導入できる

固定電話からIP電話に切り替えると、電話機やPBX(電話交換機)の設置工事が不要になります。その理由は、クラウド上に設置したPBX(電話交換機)にデバイスを接続するだけで導入できるようになるためです。PCやスマホのデバイスで通話できるため、電話機を購入する必要もありません。

IP電話サービスの料金内にPBX(電話交換機)代金も含まれているため、初期導入費0円で導入できます。例えば、電話機10台を新規設置する場合は、IP電話であれば初期費用70万円を削減できるのです。

■固定電話とIP電話の初期導入費

	固定電話	IP電話
電話機代（10台分）	380,000円	0円
PBX代	300,000円	0円
工事代金	20,000円	0円
合計	700,000円	0円

※IP電話サービスミーテルを導入した場合で試算しています。IP電話は月額料金がかかります。

3.PCやスマホから通話できる

IP電話に切り替えれば、スマートフォンやPCをビジネスフォン代わりに使用できます。外出先や在宅勤務先でも内線電話や通話転送ができるようになるため、業務効率化を図ることも可能です。

クラウド上に設置したPBXとデバイスを接続するだけで、各デバイスがビジネスフォンとして使用できます。電話機やPBX（電話交換機）を設置する必要がなくなるため、オフィスの配線もスッキリします。

4.システム連携で業務効率化が図れる

IP電話のクラウドPBXはITツールと連携できます。サービスや連携方法で実現できることは異なりますが、業務効率化を図れます。

コールセンターシステムと連携して顧客対応業務を向上する
CRMシステムと連携して顧客情報の管理を強化する
会議システムと連携してオンライン商談を実現する

クラウドPBXと連携できるシステムの種類は豊富にあるため、IP電話サービス提供会社に業務効率化するための連携方法を尋ねてみてください。

5.複数拠点の電話システムを一括管理できる

固定電話からIP電話に切り替えれば、複数拠点の電話システムを一括管理できます。電話システムを一括管理すれば、拠点間で内線通話ができます。もちろん、同じプロバイダー同士の通話は無料のため、内線通話はかけ放題です。

また、他の拠点に電話転送することもできます。無人のサテライトオフィスに掛けられた電話へ応答することもできます。

6.リモートワークに対応しやすくなる

IP電話に切り替えれば、リモートワークに対応しやすくなります。その理由は、クラウドPBXにデバイスを接続するだけでビジネスフォンとして利用できるためです。従業員の自宅からでも電話対応ができるようになります。

従業員のスマホやPCをビジネスフォン代わりに使用できるため、電話機を購入する必要がありません。また、IP電話の録音機能や電話帳機能を活用すれば、リモート営業のブラックボックス化問題を解決することも可能です。

参考：『PHONE APPLI テレワーク導入にIP電話がオススメな理由と課題について解説』

固定電話をIP電話に切り替えるデメリット

固定電話をIP電話に切り替えると、次のような3つのデメリットがあります。

電話番号が変わってしまう場合がある
フリーダイヤルが使用できない
停電の時に電話が使用できない

ここでは、それぞれのデメリットについて詳しく解説します。

1.電話番号が変わってしまう場合がある

固定電話からIP電話に切り替えると、電話番号が変わってしまう場合があります。ただし、IP電話の電話番号は「0ABJ番号」と「050番号」の2つあり、0ABJ番号に対応しているIP電話であれば、従来通りの電話番号を使用することが可能です。

しかし、OABJ番号をIP電話で使用するためには、総務省の定める通話品質の基準（接続品質・総合品質・安定品質・ネットワーク品質）を満たす必要があります。そのため、利用できるIP電話サービスが限られてしまいます。

参考：『moconaviNOTE IP電話とは？仕組みや050番号と0ABJの違い、メリット・デメリットを解説』

2.フリーダイヤルが使用できない

IP電話に切り替えるとフリーダイヤルが使用できなくなります。その理由は、フリーダイヤルとは「0120」から始まりNTTコミュニケーションが提供している通話サービスのためです。

フリーダイヤルの利用には、電話回線を引いていることが条件となります。そのため、インターネット回線を利用して通話するIP電話ではフリーダイヤルが使用できませんが、顧客対応のカスタマサポート部門のみフリーダイヤルを使用するなどの対策は検討できます。

参考：『moconaviNOTE 法人におすすめ！IP電話の特徴と選び方を紹介』

3.停電の時に電話が使用できない

IP電話はインターネット回線を使用しているため、停電してしまうと電話が使用できなくなります。固定電話の電話回線には一定の電気が流れているため、停電時でも電話機へ電力を供給して通話ができました。このような停電時に通話が全くできなくなるのがIP電話の弱点です。この問題は、電力を供給するUPS(無停電電源装置)を設置するなどで対処できます。

参考：『防災知恵袋　停電時に通話できなくなるのは、ＩＰ電話だけではない！』