アポ獲得・商談化率がUPするトークスクリプトの作り方~4つのステップ~

「新人営業担当者を早期に1人立ちさせたい」「組織全体の営業力を高めたい」などを理由にトークスクリプト(営業トークの台本)を作成する企業がいます。トークスクリプトの質を上げれば、組織全体の営業力アップが狙えますが、失敗に終わってしまう事例も多く見受けられます。

なぜ、トークスクリプトの作成が失敗に終わってしまうのでしょうか?有効的なトークスクリプトを作成するには、どうすれば良いのでしょうか?今回は、アポ獲得・商談化率がUPするトークスクリプトの作り方について詳しく解説します。

トークスクリプト作成の失敗例

まずは、トークスクリプト作成でよくある失敗例を3つご紹介します。

1.トークスクリプトを細かく作り始める

組織全体の営業力を底上げしたいが故に、最初からトークスクリプトを細かく作り始める方がいます。

トークスクリプトのクオリティを重視することは良いことです。しかし、最初からクオリティを求めてしまうと、何度も修正が発生して、工数が増えてしまいます。

トークスクリプトは、「顧客が興味を示す内容で」「顧客の回答に切り返せるパターンを準備して」「話者のレベルに応じたもの」で作成することが大切です。そのため、日頃の営業活動データを蓄積して、データ分析の結果を反映させていく必要があります。PDCAサイクルでトークスクリプトを改善する必要があるため、最初から細かく作り込まないようにしましょう。

2.汎用的なトークスクリプトを作る

幅広く応用が利く汎用的なトークスクリプトを作成しても、実践で利用されません。その理由は、話者の営業成績や熟練度に応じて、必要なトークスクリプトが異なるためです。

また、見込み顧客の流入経路(オーガニック、SNS広告、イベントなど)に応じて、話す内容を変える必要があります。お客様の興味・関心に合わせて、トーク内容を変えなければ相手に響きません。これらを理解せずに、汎用的なトークスクリプトを作成すると工数だけがかかり、期待する効果は得られなくなります。

3.テキストだけでトークスクリプトを作成する

トークスクリプトを作成する上で、トーク分岐を考えずに会話形式の台本のみを用意しているケースも多くみられます。

会話形式の台本を用意すると、顧客の会話に対してどのような返事をすれば良いかイメージできますが、顧客から想定外の会話をされると返事ができなくなります。

このような問題が起きないように、トークスクリプトはトーク分岐を考えた上で、会話形式の台本を用意しなければいけません。相手のニーズや回答によってトークの流れは変わるため、トーク分岐が理解できるトークスクリプトを用意しましょう。

トークスクリプト作成の手順

有効的なトークスクリプトに仕上げるためには、正しい手順で作成することが重要です。次に、トークスクリプト作成の手順をご紹介します。

1.話者を決めましょう

 まずは、誰がトークスクリプトを利用するのか「話者」を決めましょう。なぜなら、話者を決めることで、トークスクリプトを作成する目的を明確にできるためです。話者決めは、現在の現場の課題を起点にすると決めやすいです。

例えば、株式会社RevComm(レブコム)は組織拡大中のため、続々とSDR(インサイドセールス)が入社してきます。慢性的に人手が足りていない状況のため、入社してきた新人社員には早期に一人立ちしてもらわなければいけません。このような場合に、トークスクリプトを作成するときは「話者=新人社員」で「目的=早期立ち上げ」となります。

もし、既存のSDRの商談化率が低いことを課題に感じている場合は「話者=既存社員」で「目的=ヒアリングの質の向上」となります。

2.優先度を付けましょう

話者が決定したら、次にSDRに割り振られるリードの種類に対して優先度付けを行っていきます。

「オーガニック」「リスティング広告」「SNS広告」「イベント」「ナーチャリング」などのリードの種類を洗い出して、「リードの量」と「リードの商談化難易度」を上記の表のようにまとめます。この表を活用して、どのリードに対するトークスクリプトを作成していくかを決めていきましょう。

例えば、新人社員の早期立ち上げを目的にトークスクリプトを作成する場合は、成果に繋がりやすくリード量が少ないSNS広告のトークスクリプトから作成します。

3.トークスクリプトを構造化しましょう

 話者決めとリード種類別の優先度を決めたら、トークスクリプトを構造化しましょう。トークスクリプトを構造化する場合は、以下の流れで作成します。

■トークスクリプトの構造化

1.ドアノック ニーズの有無の確認
2.顧客特徴・ニーズ概要把握 担当者の特徴の把握

ニーズや概要の把握

3.商談化に向けた期待値醸成 提供サービスへの期待値を醸成する
4.詳細情報の取得 セールスチームに引き継ぐための情報収集

ここでは、各構造のトークスクリプトの作成方法をご紹介します。

(1)ドアノック

ドアノックでは、電話の趣旨を説明して、顧客からヒアリングの時間を確保してもらうことを目指します。電話をかけるタイミングが悪かった場合には、ターゲット顧客であるかを確認して、後日、電話をかける機会を得ることを目指します。その上で、お時間を頂けない場合は、原因を探り対応策を考えていきましょう。

オープニングトーク(電話の第一声)は、資料請求に対するお礼と顧客に役立つ情報を提供したい旨を伝えていきます。お客様の役に立てるなど、なるべくポジティブなメッセージを伝えることが大切です。

(2)顧客特徴・ニーズ概要把握

 ドアノックを突破して電話の時間がもらえたら、顧客のタイプを見抜いていきます。

顧客タイプを見抜くために、お問い合わせしてくれた背景を伺います。背景を伺いながら、「現在、業務上で課題になっていることはありますか?」「弊社のサービスをどのような場面で使用したいと思ったのでしょうか?」と聴きます。この2つの質問に対して具体的なイメージを持っている方とは商談化の手続きを進めていきます。

その一方で、現場の課題やサービスの使用方法のどちらか一方でも回答できなかった顧客に対しては、「他社では、このような課題を抱えていますが、御社は課題に感じていませんか?」や「知人から聞いてお問い合わせしたとおっしゃっていましたが、どのような内容を聞いて興味を持たれたのですか?」などをヒアリングしましょう。ヒアリングしながら、商談化の手続きができる顧客かどうかを見抜いていきましょう。

(3)商談化に向けた期待値の醸成

  • 「現在、業務上で課題になっていることはありますか?」
  • 「弊社のサービスをどのような場面で使用したいと思ったのでしょうか?」

上記のどちらかの質問に回答できなかった顧客に対しては、サービスへの期待値醸成をしていきます。

例えば、サービスには興味があるけれど、現場に課題を感じていないという営業部長に対しては、「他社では新人営業マンの早期立ち上げが課題となっていますが、御社では課題に感じていませんか?」と質問して課題に気づかせてあげてください。

その上で、「他社でサービスを導入したら、新人営業マンが2週間で1人立ちできるようになったのです。」などと具体的な事例紹介をします。このようなトークを繰り広げることで、「サービスを導入したら、そのような効果が見込めるのか」と期待してもらいやすくなります。

(4)詳細情報の取得

顧客の期待値醸成に成功したら、商談化手続きの前に詳細情報をヒアリングしていきます。この際のヒアリングは、営業担当者に顧客情報を引き継ぐために必要となるものです。営業部門が顧客と有意義な商談をするためにも、詳細情報をヒアリングして情報共有するようにしましょう。

詳細情報のリアリング内容は、各企業で異なるため、必要なものをピックアップしてみてください。詳細ヒアリングができたら、商談化手続きをします。

 

4.トークTIPSをつくりましょう

最後に、トーク手法を盛り込んでいきます。顧客ニーズはあるけれど、アポが獲得できない場合のアプローチ方法を考えておくと取りこぼしが出なくなります。

[電話の時間を頂けない場合の対応策]

興味はあるが、今は忙しい 電話可能な日をその場でおさえる&メールフォロー
空いている時間が当面、分からない 再架電する時間を提案&メールフォロー
約束した時間に電話が繋がらない メールに切り替え&オンラインMTGのURLにて商談打診
興味はあるが、ヒアリングNG メールに切り替え&メールにて最低限のヒアリング

 

トークスクリプトに活用できる「ミーテル」

AI搭載型IP電話のミーテルを利用すれば、有効的なトークスクリプトを作成していけます。その理由は、主に3つです。

 

  1. 商談化率の高いメンバーの対応を文字起こしでテキスト化できる
  2. 商談化に繋がるキラーキーワードを発見できる
  3. 文字起こし機能でトークスクリプトの作成を簡略化できる

 

また、ミーテルを活用すれば、営業トークの話速や会話の被せ率、沈黙回数など定量データを可視化できます。そのため、トークスクリプト通りに話せているか、トーク方法に問題があるのかを確認しながら営業の課題を的確に捉えられます。ぜひ、有効的なトークスクリプトを作成したい方は、AI搭載型IP電話ミーテルを利用してみてください。

 

まとめ

今回は、トークスクリプトの作成方法をご紹介しました。トークスクリプトを作成する場合は、話者の営業成績や熟練度をはじめ、問い合わせの流入経路などを考慮して作成する必要があります。また、トークスクリプトは構造化して、どのようなトークの流れでも臨機応変に対応できるようなものを作りましょう。これらを踏まえた上で、以下のトークスクリプトを作成すれば、有効的な台本が作れるはずです。

 

トークスクリプト

 

  • Step1.話者を決めましょう:誰がトークスクリプトを使用するのか
  • Step2.優先度を付けましょう:どのリードからの問い合わせが多いのか
  • Step3.トークスクリプトを構造化しましょう:架電から商談化するまでのトークステップを整理する
  • Step4.トークTIPSをつくりましょう:良いトーク手法を盛り込む

 

商談を録音・解析して成功パターンを分析すると、有効的なトークスクリプトが作成しやすくなります。弊社が提供するAI搭載型IP電話ミーテルを活用すれば良いスクリプトの作成を実現することができます。ぜひ、組織全体の営業力をアップしたい方は、AI搭載型IP電話ミーテルを利用してみてください。