アウトバウンドコールシステムで営業効率化する方法を解説

 アウトバウンドコールシステム(アウトバウンド型コールセンターシステム)を上手く活用すれば、少ないアポインターで多くの架電が行えるようになります。その結果、アポインターの業務負担が軽減できて、定着して働いてもらえるようになります。

この記事を読んでいる経営者やマネージャーの中には、テレアポ業務の業務量が多いことから、アポインターが続々と辞めていく状況に悩んでいる方もいることでしょう。このような悩みに対して、アウトバウンドコールシステムを導入することで解決することができます。

今回は、アウトバウンドコールシステムについて解説します。ぜひ、テレアポ業務を効率化させたい方は、この記事を読んでみてください。

アウトバウンドコールシステムとは

アウトバウンドコールシステムとは、ワンクリック発信やプレディクティブコール機能などが搭載されており、テレアポ業務を効率化できるシステムです。コールセンターシステムには、一般的に以下の機能が集約されています。 

■アウトバウンドコールシステムの仕組み

PBX 外線と内線をつなぐ電話交換機

電話を集約して複数のオペレーターに繋げられる

CTI 電話とFAX、コンピュータを統合してコールセンター運用を効率化する
顧客管理システム テレアポの履歴、顧客情報を蓄積する
営業支援ツール 顧客対応の履歴を蓄積する
SMS送信サービス ショートメールで案内を通知する
FAQシステム お客様の想定する質問と回答を用意しておき、顧客対応時に参照する

※アウトバウンドコールシステムのサービス内容により、含まれている機能が異なります。

アウトバウンドコールシステムの機能

アウトバウンドコールシステムでテレアポ業務を効率化するための機能として、主に以下の4つの機能があります。

1.ワンクリック発信

2.対応履歴の登録

3.通話内容の録音

4.プレディクティブコール 

ここでは、アウトバウンドコールシステムの機能をご紹介します。

(※アウトバウンドコールシステムで代表的なミーテルに触れつつ、機能について説明したいと思います。)

1.ワンクリック発信

ワンクリック発信とは、顧客情報ページにある「発信ボタン」をクリックするだけで電話がかけられる機能です。ワンクリック発信を利用すれば、電話番号を入力したり、電話番号が間違っていないか確認したりする必要がなくなります。アポインターの架電効率を格段に上げられる便利な機能です。

2.対応履歴の自動登録

対応履歴の自動登録とは、通話内容を自動要約して、顧客管理システムに応対記録を自動で登録できる機能です。通話内容をリアルタイムでテキスト化し、キーワード抽出や自動要約をしたものをCRMに登録してくれます。

対応履歴の自動登録機能を利用すれば、アフターコールワークの作業時間を短縮できる他、入力情報のバラツキも解消できます。

(※対応履歴の自動録音は、次世代型コールセンターシステムにしか搭載されていないため注意してください。)

3.通話内容の録音

通話内容の録音とは、顧客との通話内容を自動録音してデータ保存する機能です。通話内容を自動録音しておくと、以下の効果が見込めて対応品質を向上していけます。 

【通話内容の録音機能】

  • 顧客との通話内容を正確に管理できる
  • トラブル発生時に通話内容を確認できる
  • テレアポ業務の聞き逃しをなくせる
  • 録音の案内をすることでクレームを抑制できる 

4.プレディクティブコール

プレディクティブコールは、顧客リストに1件1件電話を発信して、つながった顧客をオペレーターに割り振る機能です。

プレディクティブコール機能を利用すれば、電話をかけ直すなどの手間が省け、テレアポ業務が効率化できます。テレアポ業務の場合は、相手が不在で電話を出てくれないことも多いため、プレディクティブコールを上手く活用していきましょう。

※顧客リストに一斉に電話を発信して、つながった顧客をオペレーターに割り振る類似の機能として、オートコール機能があります。

アウトバウンドコールシステムのメリット

豊富な機能が搭載されているアウトバウンドコールシステムを利用すると、次のようなメリットがあります。

1.テレアポの業務効率化

2.コールセンター運用コストの削減

3.各担当者の営業力を強化 

ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。

1.テレアポの業務効率化

アウトバウンドコールシステムのワンクリック発信機能を利用すれば、電話番号を入力したり、入力した番号を見直したりする必要がなくなります。また、対応履歴の登録機能を利用すれば、アフターコールワークの作業を自動化することも可能です。このように、テレアポ業務の効率化を図れることが大きなメリットです。

2.コールセンター運用コストの削減

コールセンター運用には、アポインターの人件費や通信費がかかります。テレアポの業務効率化が図れれば、アポインターの人数が少なくても多くのコール数を維持できます。また、効率的に電話をかけられれば、通信費の削減も可能です。このように、コールセンター運用コストを削減できることもメリットとなっています。 

3.各担当者の営業力を強化

コールセンターシステムの録音・録画機能を利用すれば、各担当者がどのようにテレアポ業務をしているかが把握できます。これまでブラックボックス化していたテレアポ業務を可視化できるため、各担当者の営業研修がしやすくなります。

例えば、好成績を残しているアポインターの営業方法を公開するだけでも、チーム全体の営業力が上げられるでしょう。また、各担当者の営業方法を比較して、どこを改善すべきなのか考えられるようになります。このように、各担当者の営業力を強化できることも、コールセンターシステムのメリットとなっています。

アウトバウンドコールシステムのデメリット

アウトバウンドコールシステムのメリットを紹介しましたが、次のようなデメリットもあるため注意してください。

1.システム選びが難しい

2.システム操作方法を習得する必要がある

3.導入コストがかかる

ここでは、それぞれのデメリットについて詳しく解説します。 

1.システム選びが難しい

アウトバウンドコールシステムとして、さまざまな製品が販売されています。そのため、自社に見合う製品が選びにくくなっています。ただし、以下の基準を参考にしながら製品を選ぶようにすれば、御社にぴったりなシステムを選ぶことができます。 

【アウトバウンドコールシステムの選び方】

  • 通話の音質が良くてクリアに聞こえる
  • 自社に見合う導入形態(オンプレミス型・クラウド型)である
  • 自社の業務に必要な機能が搭載されている
  • MAやSFA/CRMなどの外部システムと連携ができる
  • セキュリティの安全性が確保されている
  • サポート体制が充実している 

2.システム操作方法を習得する必要がある

アウトバウンドコールシステムを導入すると、最初は操作に慣れるまで時間がかかるものです。導入初期の頃は、どのようにシステムを操作すべきなのか悩んでしまうことが多く、業務が非効率だと感じることもあるでしょう。このような状況を乗り越えて、システム操作方法を習得したら、テレアポ業務は効率化できます。そのため、システム操作方法に不安があっても、きめ細かなサポートをしてくれるベンダーが提供しているアウトバウンドコールシステムを導入することをおすすめします。

3.導入コストがかかる

アウトバウンドコールシステムを導入すると、初期費用や月額費用がかかります。アウトバウンドコールシステムを上手く利用してテレアポ業務を効率化して、少ない人数で多くのコールを掛けられたり、アポイント獲得数を伸ばせたりすれば、コスト以上のメリットを出すことができます。

アウトバウンドコールシステムの導入事例

アウトバウンドコールシステムで代表的なミーテルの導入事例について紹介したいと思います。クラウドソーシング事業を展開している株式会社うるるは、電話商談ツールを使っていたものの、電話機とPCが別々であることや、また通話記録の振り返りに手間がかかるということで非効率でした。このような悩みに対してミーテルを導入して解決しました。

ミーテルで商談を行えば、録画、録音を自動化できます。また、対応履歴の登録でアフターコールワークを効率化し、アポインターがテレアポ業務に集中できる環境を整えることに成功しました。このようなテレアポ業務の工数改善により、コール数を約20%増加することができました。

まとめ

アウトバウンドコールシステムには、「ワンクリック発信」「対応履歴の登録」「通話内容の録音」「プレディクティブコール」などの主要機能が搭載されています。

これらの機能を上手く活用すれば、アフターコールワークの作業を効率化できたり、ブラックボックス化しやすいテレアポ業務を可視化できて営業研修に活かせるようになったりします。

アウトバウンドコールシステムを上手く活用すれば、アポインターの業務負担を軽減できたり、テレアポ業務で成果を出せるようになり、自信をつけることができるようになるでしょう。その結果、アポインターに定着して働いてもらえるようになるはずです。ぜひとも、アウトバウンドコールシステムの導入を検討してみてください。