電話でのクレーム対応で気を付けるべき7点

「グッドマンの法則」によると、不満をもつ顧客のうち実際にクレームを口にするのはたったの4%とのことです。つまり、96%の顧客は、たとえ不満を抱いてもそれを口にしません。

実際にNewVoiceMediaの調査「SerialSwitchers」では、顧客サービスの悪さが企業に与える損失は約7.5兆円であると言われています。企業は知らないうちに多くの損失を生じていることになります。クレームを適切に対応をすることは、事業を運営する上で非常に重要です。

本記事では、クレーム対応における重要なポイントについて解説します。

(参考:Forbes「Businesses Lose $75 Billion Due To Poor Customer Service」)

(参考:https://www.diamond.co.jp/_itempdf/0201_biz/56039-0.pdf)

(参考:ビジネス+IT「グッドマンの法則の基本と事例:クレーム(苦情)を顧客満足に変えるフレームワーク」)

(参考:Callminer「22 Customer Service Experts Reveal How Call Center Reps Should Address Complaints About Bad Customer Service」)

■クレーム対応で重要なポイント7点

適切なクレーム対応を行うために知っておくべきこととして、重要なポイントを紹介します。

(1)相手の気持ちに寄り添う

自分が不満を抱いてコールセンターに電話をする立場だったらと考え、お客様の心情に寄り添って対応するのが大切です。気持ちを汲んでもらえないという失望感をお客様に与えてはいけません。

(2)商品・サービスに対する不満であると冷静に対応する

クレーム電話を受けていると、たまに自分自身がクレーム対象になっているような気持ちになってしまうことがあります。自分個人への不満ではありません。冷静に対応しましょう。

(3)書き言葉では事務的な印象にならないように気を付ける

書き言葉は、話し言葉よりもきつく感じる傾向にあります。そのため、チャット上でクレーム対応をするときは定型文や事務的な言葉遣いになりすぎないように注意しましょう

(4)話をきちんと聞く

クレーム対応では、多くの件数に対応することも重要のため、急いで対応しがちです。

お客様の言葉をしっかり受け止め、話を聞かなければ新たなクレームを生む可能性があります。

(5)電話を切る前に感謝の言葉を忘れない

電話を切る時には、「貴重なご意見をいただきありがとうございました。同じようなことが起こらぬようにきちんと対策致します。」など謝罪と感謝の気持ちを伝えましょう。

(6)NGなワードや行動に気を配る

クレーム対応のNGワード・NG行動には気を付けてください。断定的な言葉である「絶対」、憶測的な言葉の「思います」、弁明の「だって」はNG表現ですので気を付けましょう。

また、お客様の名前を聞く際に「下のお名前を教えてください」と聞くことは、名前には上も下もなく、失礼にあたるため、「フルネームをお伺いしてもよろしいでしょうか?」と聞くようにしましょう。

お客様の声が聞き取りずらいときに「声が小さくて聞こえないのですが・・・」と聞くことは、聞き取りずらいことを全面的にお客様の責任にしていると捉えられてしまう可能性があるため「少々お電話が遠いようですが、こちらの声は聞こえていますか?」と、お互いの声が聞き取れているか確認する言い方にしましょう。

(7)クレーム内容のきちんと把握できるようにする

クレーム内容は「5W1H」で把握します。お客様の本当の要望を特定するために、いつ・だれが・どこで・なぜ・どのように不満を抱いたのかを確認しましょう。

上記はいずれも、クレーム対応において重要なポイントばかりです。お客様のクレームの多くは、商品やサービスに関する不満なので、クレーム対応では会社の方針を伝えなければなりません。

そのため、オペレーターの主観での返答や曖昧な受け答えをしないようにしましょう。

(参考:エボジョブ「コールセンターのクレーム対応のポイント3つ!

クレームの種類と対応」)

(参考:ttps://callcenternavi.jp/ccplus/howto/6497/

(参考:https://www.rakutel.jp/column/2020/0703.php

(参考:https://calltips.net/ng-word-callcenter/)

■コロナによる新たなクレームに対する対応方法

新型コロナウイルスが世界中で蔓延する中、コロナと関係したる新たなクレームも発生しています。

・「なぜ営業しているの?コロナを感染させたいんですか?」

コロナ禍において、飲食店や小売店などでは営業時間を短縮するなどの対策も取られていましたが、本部にクレームの電話が入ったりする場合もあります。

こうしたお客様の多くは「コロナに感染するかもしれない」という不安が大きいため、クレームへと発展してしまいます。

そのため、お客様が抱える不安に寄り添うために、きちんと話をお伺いすることも大切です。

また、不安というのは情報が少ないことで感じやすくなります。中にはコロナ対策について丁寧に説明しても聞き入れてもらえない場合もありますが、お客様の不安を解消するためにも、張り紙や公式サイト、SNSなどでコロナ対策の情報発信を行いましょう。

(参考:https://www.ampmedia.jp/2020/05/24/self-restraint-police/)

(参考:https://lab.kutikomi.com/news/2020/08/25/coronacomplaints/)

・「座席数を減らされると困る!」「まだ店を利用できないのか!」

コロナの影響から、飲食店や小売店では入店制限だけでなく座席数を通常よりも減らして中に入れる人数を減らしたり、店内飲食を中止してテイクアウトのみにしたりするなどの対策も取られています。しかし、これらのコロナ対策へのクレームが本部に入ることがあります。

このようなクレームに対しても、お客様の健康を第一に考えたうえでの対策であることを伝えることがベストです。「お客様にはご不便をおかけしてしまい申し訳ございません」と、不便をかけていることに対する謝罪の言葉も添えてください。

(参考:https://lab.kutikomi.com/news/2020/08/25/coronacomplaints/)

■まとめ

クレームは、企業にとって改善点を見つける貴重なきっかけにもなります。淡々とクレーム対応をこなすのではなく、一つひとつのクレーム案件に真摯に向き合い適切に対応することで、企業やサービスのさらなる成長に繋がることでしょう。